神山町(読み)かみやまちよう

日本歴史地名大系 「神山町」の解説

神山町
かみやまちよう

面積:一七三・三一平方キロ

四国山地のほぼ中央部の狭峻な山間部に位置し、名西郡さん分にあたる。面積の約八割が山地で、鮎喰あくい川が南西から北東に流れる。東は徳島市・名東みようどう佐那河内さなごうち村、南は勝浦かつうら上勝かみかつ町・那賀なか木沢きさわ村、西は美馬みま木屋平こやだいら村、北は石井いしい町と麻植おえ鴨島かもじま町・美郷みさと村。東西に国道四三八号が通り、西部で北上する国道一九三号が交差する。鮎喰川に沿う主要地方道石井―神山線は中津なかつで国道四三八号に合流する。考古遺跡では下分の左右山しもぶんのそうやま遺跡や東寺ひがしでら遺跡から平形銅剣が出土阿野あのには四世紀後半の築造とされる長谷ながたに古墳がある。当町域を中心とした鮎喰川流域は「和名抄」にみえる名西郡埴土はに郷に比定され、神領じんりようには阿波国の祖神とされる大宜都比売を祀る上一宮大粟かみいちのみやおおあわ神社がある。平安時代から鮎喰川上中流域は大粟山と称され、一宮神領が設定されていた。大粟山の地名は阿野勧善かんぜん寺に伝わる南北朝期末の年紀を有する大般若経奥書などにも散見される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神山町」の意味・わかりやすい解説

神山〔町〕
かみやま

徳島県東部,吉野川支流鮎喰 (あくい) 川の上・中流域の峡谷部にある町。 1955年阿野 (あの) 村,鬼籠野 (おろの) 村,神領 (じんりょう) 村,下分上山 (しもぶんかみやま) 村,上分 (かみぶん) 上山村が合体して町制。主産業は農林業。鮎喰川の沿岸の小低地では米作,山腹斜面ではタバコ,コンニャクの栽培が行われる。全国有数のスダチの特産地として知られる。焼山寺四国八十八ヵ所の第 12番札所で,フジ,スギ並木がある。雨乞の滝,神通の滝,重要文化財の粟飯原 (あいはら) 家住宅がある。中部山渓県立自然公園に属する。国道 193号線,438号線が通じる。面積 173.30km2。人口 4647(2020)。

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