神津俶祐(読み)コウヅシュクスケ

デジタル大辞泉 「神津俶祐」の意味・読み・例文・類語

こうづ‐しゅくすけ〔かうづ‐〕【神津俶祐】

[1880~1955]地質学者。長野の生まれ。東北大教授。岩石学を専攻し、多く造岩鉱物研究月長石X線による研究は有名。

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精選版 日本国語大辞典 「神津俶祐」の意味・読み・例文・類語

こうづ‐しゅくすけ【神津俶祐】

  1. 地質学者・鉱物学者。理学博士。長野県出身。東京帝国大学地質学科卒。東北帝国大学教授。造岩鉱物の熱学的研究など、岩石学の近代化貢献。月長石のX線による研究は世界的に注目された。学士院会員。明治一三~昭和三〇年(一八八〇‐一九五五

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神津俶祐」の意味・わかりやすい解説

神津俶祐
こうづしゅくすけ
(1880―1955)

岩石学者、鉱物学者。長野県北佐久郡の生まれ。1905年(明治38)東京帝国大学地質学科卒業後、地質調査所技師などを経て東北帝国大学教授となり、岩石鉱物鉱床学教室を設立した。火成岩溶融現象の研究に着手し、日本の岩石学の近代化を推し進めた。月長石のX線による研究およびその熱的変化の研究は世界的に注目された。その後、多くの造岩鉱物の研究とともに、日本岩石鉱物鉱床学会や日本火山学会の設立に多大の貢献をした。1969年(昭和44)岩手県田野畑(たのはた)鉱山(閉山)より発見された新種の角閃(かくせん)石に神津閃石の名が献名された。

松原 聰]

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20世紀日本人名事典 「神津俶祐」の解説

神津 俶祐
コウヅ シュクスケ

明治〜昭和期の岩石学者,鉱物学者 東北大学名誉教授。



生年
明治13(1880)年6月5日

没年
昭和30(1955)年2月11日

出生地
長野県北佐久郡

学歴〔年〕
東京帝国大学理科大学地質学科〔明治38年〕卒

経歴
東大大学院に入り御岳火山、乗鞍火山を調査した。明治40年地質調査所に入り、火成岩について研究、各地でアルカリ岩類を発見した。44年東大講師、45年東北帝国大学理科大学に新設の地質学科講師となり、のち教授。大正2年欧米に留学、カーネギー地球物理学実験所、ケンブリッジ大学などで長石の研究を行い、帰国後、岩石鉱物学講座を担当した。昭和10年岩石鉱物鉱床学教室を設立、火成岩の熔融現象研究に従事。17年定年退官、名誉教授。この間、4年の北海道駒ケ岳噴火時、その調査指導に当たった。珪酸塩鉱物、特に月長石のX線研究などで業績を上げた。また日本岩石鉱物鉱床学会、日本火山学会の設立に尽力、日本地質学会会長(13年)も務めた。学士院会員。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「神津俶祐」の解説

神津俶祐 こうづ-しゅくすけ

1880-1955 大正-昭和時代の地質学者。
明治13年6月5日生まれ。地質調査所技師をへて,大正5年東北帝大教授。火成岩溶融現象を研究,月長石(げっちょうせき)のX線研究で世界的に知られた。学士院会員。昭和30年2月11日死去。74歳。長野県出身。東京帝大卒。著作に「岩石鉱物の研究」。

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