デジタル大辞泉
「神経調節性失神」の意味・読み・例文・類語
しんけいちょうせつせい‐しっしん〔シンケイテウセツ‐〕【神経調節性失神】
立ち続けるなどして脈拍数や血流量が低下し、脳の血流が悪くなって起こる失神。脳貧血のこと。
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「神経調節性失神」の解説
しんけいちょうせつせいしっしん【神経調節性失神 NMS, Neurally Mediated Syncope】
[どんな病気か]
朝に弱い、学校の朝礼などで倒れるなどの場合の多くは、食事をしない、夜更かしをするなどの生活習慣からきていることが多いと思われます。これらは起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)、自律神経失調(じりつしんけいしっちょう)などと呼ばれることがありますが、なかには、失神(神経調節性失神)をおこす場合もあります。神経調節性失神は、神経反射によっておこる一過性の血圧低下が原因とされ、血管迷走神経性(めいそうしんけいせい)失神、情動失神(じょうどうしっしん)、排尿・排便時の失神などが、このようなしくみによると考えられます。予後は良好とされていますが、神経調節性失神の一部には、薬などによる治療が必要となることもあります。
神経調節性失神の診断には傾斜試験(けいしゃしけん)(ティルト試験、HUT)が用いられます。傾斜試験による心拍数(しんぱくすう)および血圧の変化の様式によって、おもに心拍数の減少が主体の型と、血圧の低下が主体の型、これらの混合型の3つの場合があるとされています。
[治療]
ストレスなどによる過度の交感神経の緊張を避けること、過度の運動を避け、運動は徐々に止めること、また、長時間立っていることなどによる下肢(かし)への血液貯留(ちょりゅう)による循環血液量の減少を避けることなどが生活指導としてあげられます。
前ぶれがある場合は、臥位(がい)あるいは座位(ざい)をとるようにします。症状の強い場合には、薬物療法が行なわれることもあります。専門医に相談しましょう。
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