穂見神社(読み)ほみじんじや

日本歴史地名大系 「穂見神社」の解説

穂見神社
ほみじんじや

[現在地名]櫛形町高尾

高尾たかお集落西方にあり、祭神は倉稲魂命・稚産霊神・保食大神。旧郷社。通称高尾さん、あるいは北鷹尾として知られる。「延喜式」神名帳の巨麻こま郡「穂見ホミノ神社」は当社に比定される。ただし「甲斐国志」では御崎みさき明神、「甲斐名勝志」では高尾山稲荷社と記され、慶応四年(一八六八)当社が寺社役所へ提出した社記并由緒書(社記)では穂見神社を称している。社蔵の天福元年(一二三三)一二月一五日の紀年銘のある懸仏(県指定文化財)には、「三躰王子 甲斐国八田御牧北鷹尾」と刻され、当社は八田はつた御牧内にあった。三躰王子とは大福王子・大寿命王子・大智徳王子をさし、俗に文珠と称されたという。永禄四年(一五六一)の番帳に「五十四番 上八田の禰き 高尾の禰き」がみえ、当社神官府中八幡宮の勤番を命じられていた。


穂見神社
ほみじんじや

[現在地名]韮崎市旭町上条南割

苗敷なえしき(旭山)の山上に本宮、東麓に里宮がある。天之底立命・国之常立命・豊受姫命を祀り、旧村社。「延喜式」神名帳にみえる巨麻こま郡の同名社に比定する説もある。かつては壮大な神域を誇ったが、天正壬午の戦で兵火にかかり、以後旧観に復すことはなかったと伝える(「甲斐国志」など)。古くは苗敷山権現と称し、真言宗苗敷山宝生ほうしよう(現廃寺)別当寺であった。永禄九年(一五六六)七月一八日、苗敷山(宝生寺)別当は屋敷一軒分の棟別銭・普請役を免除されている(「武田家印判状写」寺記)


穂見神社
ほみじんじや

[現在地名]韮崎市穴山町

穴山あなやま町の南東端、字稲倉いなくらにある。建速素戔嗚尊・倉稲魂神・建御名方神を祀る。旧郷社。建速素戔嗚尊は社地にある根の神石とよぶ霊石(神体石でもある)を祀ったものといい、倉稲魂神は古代巨麻こま速見へみ(和名抄)の正倉(稲倉)の鎮守であったとされ、同神を「延喜式」神名帳にみえる巨麻郡の穂見神社に比定する説もある。また建御名方神は天文年中(一五三二―五五)上手うえで(現明野村)の諏訪社(宇波戸神社)の分霊を勧請したものという(「社記」「山梨県神社誌」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「穂見神社」の解説

穂見神社

山梨県南アルプス市、櫛形山山腹にある神社。「高尾穂見神社」ともする。旧郷社。祭神は保食神(うけもちのかみ)。古くから豊作商売繁盛の神として信仰を集める。

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