積算温度(読み)セキサンオンド(その他表記)accumulated temperature

デジタル大辞泉 「積算温度」の意味・読み・例文・類語

せきさん‐おんど〔‐ヲンド〕【積算温度】

ある期間の日平均気温が基準温度目的により異なる)を超えた分だけ取り出し、合計したもの。農作物栽培限界などの目安になる。

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改訂新版 世界大百科事典 「積算温度」の意味・わかりやすい解説

積算温度 (せきさんおんど)
accumulated temperature

温度のある一定値を超えた分だけをある期間にわたって合計したもの。で求める。たとえば温帯作物の場合は,一般に生育の温度条件が日平均気温5℃以上なので,t0=5℃とし毎日の日平均気温から5℃を差し引いた値を日々加算して積算温度を求め,作物の栽培適否の指標にしている。簡便のためにNを月単位にして月平均気温を用いることもあるが,その地理的分布は植生分布とかなりよく対応する。暖冷房の場合は,標準室温をt0とし日平均気温との差を毎日求めて合算した積算温度(暖(冷)房度日)によって必要熱量を見積もる。精密に見積もるには毎時の値を用いる。このようにNが時間単位の場合は度時degree hours,日単位の場合は度日degree daysということがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「積算温度」の意味・わかりやすい解説

積算温度
せきさんおんど

植物とくに農作物の生育に要する熱量を表す目安の一つ。生育日数の各日の平均気温の積算値で表す。単位は度(C)日である。ただし日平均気温が、植物が活動できない日は積算に加えない。なお、気象学上はデグリー・デーという。植物が活動できる日平均温度の最低値を基準温度といい、それ以上を有効温度という。このため積算温度を有効積算温度ともいう。基準温度は、秋播(ま)き野菜やムギ類のように比較的低温で育つものは一律に5℃、一般に温帯で夏季に生育するものは10℃、熱帯植物のように高温を必要とするものは15℃とする。植物が正常な生育ができる積算温度の最小値を最小積算温度という。主要な作物について最小積算温度を例示すると、ジャガイモ1000(度日、以下同)、春播きコムギ1600、ヒマワリ2000、トウモロコシ3000、ダイズ2500、イネ2500などである。

[星川清親]

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百科事典マイペディア 「積算温度」の意味・わかりやすい解説

積算温度【せきさんおんど】

ある期間の日々の平均気温のうち,一定の基準値を超えた分を取り出し合計したもの。植物の生長に必要な熱量の大小の目安によく用いられ,基準値として,たとえば春コムギで3℃,トウモロコシで13℃などが用いられる。気候学でも夏の暑さ(たとえば25℃以上)や冬の寒さ(たとえば0℃以下)の表現に用いる。

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