空明(読み)クウメイ

デジタル大辞泉 「空明」の意味・読み・例文・類語

くう‐めい【空明】

清らかな水に映る月影
何もなく明らかなこと。また、空中
虚空とはこれ―のところなるか」〈長与竹沢先生と云ふ人

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精選版 日本国語大辞典 「空明」の意味・読み・例文・類語

くう‐めい【空明】

〘名〙
月光の水に映ること。水底が見えるほど清らかな水に、月が映ずること。
※翰林葫蘆集(1518頃)一三・心月清公禅定門七周忌拈香「中有天香吹満袖、霊台夜々湛空明」 〔蘇軾‐記承天夜遊〕
② 何もなく明らかなこと。また、空中。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生と虚空「『虚空とは之れ空明の処なる乎』『時に空明也。時に晦冥也。〈略〉』」 〔蘇軾‐海市詩〕

から‐あき【空明】

〘名〙 (形動) 内部がすっかりあいてしまうこと。また、すっかりからになること。
※人情本・春秋二季種(1844‐61頃)二「内をから明(アキ)にして金蔵(かなぐら)不用心だは」
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「注ぐとコップ半分も無くて、壜はそれで全虚(カラアキ)

そら‐あかり【空明】

〘名〙 空にゆきわたっている日の光。
唐人お吉(1928)〈十一谷義三郎〉五「空明りを湛へた町の廃墟を」

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普及版 字通 「空明」の読み・字形・画数・意味

【空明】くうめい

水中の月の光。宋・軾〔赤壁の賦〕桂の櫂(かい)、(さを) つて光に泝る 渺渺(べうべう)たる予が懷(おも)ひ 美人を天の一方

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