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空気膜構造 くうきまくこうぞうpneumatic structure

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

空気膜構造
くうきまくこうぞう
pneumatic structure

エアドーム。曲面状の膜でテントのような構造物をつくり,内部に空気を送り込んで,外部との空気圧の差によって自立させる構造。膜にはプラスチックフィルムガラス繊維,金属膜などの空気を通さない特殊材料が用いられ,出入口を二重構造にして空気が抜けるのを防ぐ。支柱を必要としないため内部の空間を有効利用できることから,イベント,スポーツなど多目的に活用されている。アメリカでは広くドーム状のものが活用されており,日本でも 1988年に完成した東京ドームなど,恒久的施設として空気膜構造建築物がつくられてきている。

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デジタル大辞泉の解説

くうきまく‐こうぞう〔‐コウザウ〕【空気膜構造】

空気圧で膜または袋を膨らませて形を保つ建築構造エアドームのように下から加圧して膨らませた構造や、加圧した空気の入った袋をつなぎ合わせた構造などがある。ニューマチック構造

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世界大百科事典 第2版の解説

くうきまくこうぞう【空気膜構造 pneumatic structure】

空気圧を利用して膜面に張力を与え,それによって形を安定化(剛性を付与すること)させるとともに,雪や風などの外力に対する抵抗能力をもたせた構造。ニューマチック構造とも呼ばれる。空気を閉じ込める方法の違いにより一重膜構造と二重膜構造に分けられる。前者は,床上に膜を張り,床と膜との間に空気を閉じ込めるもので,ドーム型のものはエアドームair domeと呼ばれる。一重膜構造では建物内外の気圧差を保持する必要から大きな開口を設けることは不可能で,閉鎖型の内部空間となり,温室,展示場,ホールなどの屋根として利用される。

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大辞林 第三版の解説

くうきまくこうぞう【空気膜構造】

空気圧で膨らませた膜で、一定の形状を保つとともに、風雪などの外力に対する抵抗力をもたせた構造。一枚の膜の下側の空気を加圧して空中に浮かす一重膜構造、二枚の膜の間の空気を加圧してレンズ状にする二重膜構造などがある。合成繊維やガラス繊維の膜を用い、大空間をおおう屋根などに利用する。ニューマチック構造。 → エア-ドーム

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

空気膜構造
くうきまくこうぞう
pneumatic structure

図Aのレンズ状二重膜、図Bのチューブ状の膜、図Cの周辺構造をもつ一重膜のように、内外の圧力差で膜を二方向予張力状態とし、それに基づく剛性を利用できるように形成した構造物のことをいう。
 キャンバスや薄いステンレス膜などの膜材料は、そのままでは圧縮剛性をもたないが、あらかじめ張力を与えた状態にしておくと、その張力が失われるまでは張力減に相当する付加圧縮応力を負担できることになり、それに対応する圧縮剛性を利用できる。図Bの直線空気膜チューブでも、内圧が与えられた状態では、その要素は母線方向にも円周方向にも引張り応力状態にある。したがって、母線方向の張力相当分だけ、全体的な曲げによる圧縮応力を負担できることになる。膜の張力は差圧と膜面の曲率半径に比例する。そこで大スパンの空気膜構造では、図Cの一重膜の膜面に沿って多数のケーブルを網目状に張り渡し、図Dのように膜面を縛り付けることによって、多数の曲率半径の小さい区分膜面を形成する。また、内外の圧力差を実現するために膨張装置を設置する。この方法によれば、スパン数百メートルの柱のない大空間を比較的廉価で実現することができる。1970年(昭和45)に開かれた日本万国博覧会のアメリカ館はこのような空気膜構造である。その後多数の全天候型の野球場や競技場が、この方法で建設されている。[中村恒善]

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