翻訳|atmospherics
地球上の自然源から発生する電磁波。おもな原因は雷放電である。約100キロメートル以内に雷があると、中波ラジオ受信機にガリガリという雑音として入ってくる。継続時間は1000分の数秒にすぎないが、発生源の近く(10キロメートル以下)では、数十ヘルツから数ギガヘルツまでの周波数成分を含んでおり、エネルギーの最大は10キロヘルツあたりにある。しかし周波数が高い成分ほど距離に対する減衰が大きいので、数千キロメートル以上の遠距離からくる空電には、約10キロヘルツの成分だけが残っている。
空電は電波通信を妨害するが、反面その源を探知することによって、気象観測網から漏れた雷の位置を探知することができる。今日では、雷放電から放射される空電を多地点で同時受信し、データを一局に集めて解析し、雷放電の位置を決定するシステムが開発され、LLP、LPATS、SAFIRなどの名で商品化されており、日本でも数社がそれらを常備、運用している。
特殊な空電としては、地表と電離層を導波管として地球を周回するシューマン共振(基本波8ヘルツ)や、電離層を抜けて地球磁力線に沿って地球の反対側に伝播(でんぱ)するホイッスラ(音声周波域)もある。
[三崎方郎]
『金原淳著『空電』(1944・河出書房)』▽『佐尾和夫著『空電――雷の電波ふく射をめぐって』(1981・成山堂書店)』▽『日本大気電気学会編『大気電気学概論』(2003・コロナ社)』
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