立葵(読み)タチアオイ

デジタル大辞泉 「立葵」の意味・読み・例文・類語

たち‐あおい〔‐あふひ〕【立×葵】

アオイ科越年草。高さ約2メートル。葉は心臓形で浅い切れ込みがある。花茎は長く、梅雨ころに、紅・白・紫色などの大きな花を下から上へ順に開く。観賞用。はなあおい。つゆあおい。からあおい。あおい。 夏》三方に蝶のわかれし―/汀女

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精選版 日本国語大辞典 「立葵」の意味・読み・例文・類語

たち‐あおい‥あふひ【立葵】

  1. 〘 名詞 〙
  2. アオイ科の越年草。地中海地方原産で、観賞用に庭園に栽培される。高さ約二メートル。全体に毛を密生。葉は長柄をもち心臓状円形で浅く五~七裂し、縁に鋸歯(きょし)がある。初夏、葉腋に一個ずつ径一〇センチメートルぐらいのラッパ形の五弁花が咲く。花は赤・紅・白・黄・黒色などで八重咲きのものもある。漢名、蜀葵。はなあおい。つゆあおい。からあおい。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「作るこそ実名をえたるたち葵」(出典:俳諧・犬子集(1633)三)
  3. 植物えんれいそう(延齢草)」の異名。〔物品識名(1809)〕
  4. 紋所の名。茎のある葵の葉三つを杉形(すぎなり)に立てた形を図案化したもの。
    1. [初出の実例]「立葵(タチアフヒ)紋散らしの襖」(出典:歌舞伎・日本晴伊賀報讐(実録伊賀越)(1880)五幕)

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