等電点(読み)とうでんてん(英語表記)isoelectric point

大辞林 第三版の解説

とうでんてん【等電点】

アミノ酸やタンパク質などの両性電解質で、溶液の水素イオン濃度を変化させたとき、溶質粒子の正と負の電荷が全体としてゼロになり、電場をかけても移動しないような状態。通常、水素イオン指数 pH で表す。水酸化アルミニウムなどの両性の沈殿にもあり、等電点では最小の溶解度を示す。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

等電点
とうでんてん
isoelectric point

アミノ酸やペプチド、タンパク質のような両性電解質、あるいはコロイドなどにおいて、溶液の水素イオン濃度(pH)を変化させたとき、溶質や粒子全体としての電荷(実効電荷)がゼロになるようなpHがある。これを等電点という。つまり、このような水素イオン濃度においては、溶質、粒子のもつ正荷電と負荷電の量が等しくなるのである。タンパク質も両性電解質であるが、成分のアミノ酸の種類と数によってかなり異なった等電点を示す。たとえば、コムギのグリアジンのように酸性アミノ酸に富むものでは、等電点は4付近であるが、プロタミンのように塩基性アミノ酸に富むものでは10から12に及ぶ。このような等電点の差異を利用して分離も行える。水酸化アルミニウムのような両性の沈殿(両性水酸化物)においても同じように等電点がある。このpHにおいて溶解度が最小となることがわかる。コロイド溶液は、等電点において電気泳動速度が極小となるが、浸透圧、粘性なども極小となる。これに対し、泡立ちや凝結などでは逆に最大となる。[山崎 昶]

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世界大百科事典内の等電点の言及

【タンパク質(蛋白質)】より

…偏比容は密度の逆数に近いが,タンパク質ではふつう0.69~0.75cm3/g程度であり,アミノ酸組成によりだいたいの値を予言することができる(表2)。また,タンパク質分子の電荷の総和が0になるpHを,そのタンパク質の等電点という。アミノ酸組成から等電点のおよその予想はできるが,正確な値は実験してみないとわからない。…

※「等電点」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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