筋斗(読み)キント

デジタル大辞泉 「筋斗」の意味・読み・例文・類語

きん‐と【筋斗】

《「筋」は木を切る道具。柄が軽くて頭が重く、よく斗転(回転)するところから》とんぼ返りをすること。

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精選版 日本国語大辞典 「筋斗」の意味・読み・例文・類語

きん‐と【筋斗】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「筋」は木を切る道具。柄が軽く頭が重いのでよく斗転(=ぐるりとまわること)するところから ) とんぼがえりをすること。
    1. [初出の実例]「虚空昨夜飜筋斗、師子峯呑象骨岩」(出典:若木集(1377頃)実知客由広入閩)
    2. 「わたしはこの綵衣を纏(まと)ひ、この筋斗の戯を献じ、この太平を楽しんでゐれば不足のない侏儒でございます」(出典:侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉侏儒の祈り)
    3. [その他の文献]〔張憲‐題黒神廟詩〕

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改訂新版 世界大百科事典 「筋斗」の意味・わかりやすい解説

筋斗 (とんぼ)

歌舞伎のタテ用語。立回り中に主役から投げられたり斬られたときに,もんどりうち宙返りする動作。〈とんぼを返る〉という。三徳(さんとく),後返り(あとがえり),返り越し,返りっぱなし,返り立ち,返り込みなど各種あり,ほかにも《布引滝》の瀬尾の落入りなどで用いる平馬返り(へいまがえり)という特殊例もある。歌舞伎の〈とんぼ〉は京劇性質を異にし,主役の演技を引き立てることを基本としている。
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普及版 字通 「筋斗」の読み・字形・画数・意味

【筋斗】きんと

とんぼがえり。〔教坊記〕筋斗の裴承恩の妹大娘は、歌を善くす。兄、以て竿木の侯氏に配す。長人趙解愁と私す。

字通「筋」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の筋斗の言及

【立回り】より

…のち安永(1772‐81)ごろには,現在に伝わる基本型が完成されたと見られる。下座音楽も主として〈六つの花〉〈ドンタッポ〉〈忠弥〉などに限られ,かどかどではツケ(役者の演技を印象づけるため,舞台上手で板を二本の柝(き)ではげしく打つ演出)が打たれ,投げられたり切られた者はとんぼ(宙返り)を返る技術を必要とする。 歌舞伎で刀を用いた立回りの型には以下の種類がある。…

※「筋斗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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