立回り(読み)タチマワリ

デジタル大辞泉「立回り」の解説

たち‐まわり〔‐まはり〕【立(ち)回り】

あちこち歩き回ること。また、ある所に立ち寄ること。「立ち回り先」
振る舞い。特に、自分が有利になるような行動。「如才ない立ち回り
演劇・映画などで、切り合いや殴り合いなどの場面。殺陣たて
つかみ合ったり、殴り合ったりするけんか。乱闘。「町なかではでな立ち回りを演じる」
能で、大鼓・小鼓や太鼓を加えた囃子はやしに笛のあしらいで、シテが舞台を静かに一巡する所作。
[類語](3ちゃんちゃんばらばらちゃんばら切り合い切り合う剣劇殺陣たて一上一下いちじょういちげ/(4喧嘩いさか争い紛争闘争大立ち回り抗争暗闘争闘共闘ゲバルト

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世界大百科事典 第2版「立回り」の解説

たちまわり【立回り】

演技用語。タテともいい,〈殺陣〉を当て字する用例は歴史が新しい。劇中,捕物や殺し場などで演ずる太刀打や争闘技をいう。古来一座には専門の立師(たてし)がいて立回りのを考案し俳優に教えるが,その型をタテという。後世にいたって立回りを見せることを主眼とする剣劇が流行した。歌舞伎の立回りはごく様式的なものから写実的なものへと,時代の要請に応じて変遷したが,それぞれに,時代,お家,世話の種別となって行われ,ほかに舞踊劇中で演ずる〈所作立(しよさだて)〉また〈だんまり〉などもある。

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世界大百科事典内の立回りの言及

【歌舞伎】より

…江戸末期の〈生世話〉も徹底した写実主義の演劇になったわけではなかった。たとえば,正面を向いてする演技,見得立回りだんまりといった様式,大道具,小道具,化粧,扮装などは,いずれも絵画的もしくは彫刻的な景容の美しさを目標とし,下座の音楽や効果,ツケの類は写実性をめざすものではなく,情緒的な音楽性をねらい,あるいは擬音を様式化して誇張したものである。どんな場面の,どんな演技・演出も,舞台に花があり,絵のように美しい形に構成されていなければならない。…

【倭仮名在原系図】より

…通称を《蘭平物狂(らんぺいものぐるい)》というように,これが一つの見せ場であるが,筋の上では蘭平こそ伴義雄で,陰謀のための偽狂乱である。与茂作実は行平の臣の計略で素姓を見破られた蘭平は,大勢の捕手を相手にたたかうが,現行演出では,この立回りが眼目で,数多い歌舞伎のタテの中でも最もスケールの大きい,手のこんだものとして有名。蘭平が,はしご,井戸の釣瓶,石灯籠などを使ってさまざまなテクニックを見せるタテは,《千本桜》の竹藪の小金吾,《双級巴(ふたつどもえ)》藤の森の石川五右衛門とともに,大立回りの三大代表作とされる。…

※「立回り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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