(読み)ゼイ

デジタル大辞泉 「筮」の意味・読み・例文・類語

ぜい【筮】[漢字項目]

[音]ゼイ(慣) [訓]うらなう
筮竹を使って占う。占い。「筮竹占筮卜筮ぼくぜい

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精選版 日本国語大辞典 「筮」の意味・読み・例文・類語

ぜい【筮】

  1. 〘 名詞 〙 占いに用いる具。めどぎ。筮竹(ぜいちく)。また、めどぎで占うこと。うらない。〔礼記‐曲礼上〕

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普及版 字通 「筮」の読み・字形・画数・意味


13画

[字音] ゼイ
[字訓] めどぎ・うらなう

[説文解字]
[金文]
[その他]

[字形] 会意
竹+巫(ふ)。竹はめどぎ。〔説文〕五上に「易の卦(くわ)に用ふる(めどぎ)なり」とあり、卜筮をいう。〔世本〕に「巫咸、筮を作る」とあり、巫咸は古の神巫。〔易〕の卦爻(かこう)の辞に亀卜に関する語があり、筮法は亀卜の法から出たと考えられる。正奇の数を重ねる象数的な卜法があったのであろう。〔左伝、僖四年〕に「筮は短にして龜は長なり」とあり、亀卜が正統のものとされていた。

[訓義]
1. めどぎ、めどぎでうらなう。
2. うらなう。易の卜法、易筮。

[古辞書の訓]
立〕筮 ハシ 〔字鏡集〕筮 フヱ・ウラ

[声系]
〔説文〕に筮声として噬・の二字を収める。噬二上は「啗(く)らふなり」、は土で水をとめる意。噬は啗らうときの擬声語であるらしく、ははげしく浸食された水辺をいうものであろう。

[熟語]
筮卦筮嘉筮儀・筮験筮史筮者筮人筮宅筮択・筮竹筮卜筮問
[下接語]
易筮・卦筮・亀筮・九筮・告筮・策筮・筮・占筮・泰筮・卜筮・予筮・立筮

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「筮」の意味・わかりやすい解説


ぜい

筮竹を操作して占うこと。筮竹は竹を細く削った棒で、古くはメドハギの茎を用いた。占筮では50本の筮竹を用いる。そのなかから1本を抜いておき、あとの49本をさばいて数を出し、六四卦(け)のうちの一つの卦を出す。その卦を『易経』に照らして、人事吉凶を予知する。『易経』は陽と陰との二元論をもととしている。その陽と陰とを三つずつ組み合わせると8種の卦(八卦(はっけ))が得られる。八卦は天地間の現象の基本的諸要素を象徴するものである。日本で易占を八卦とよぶのはこのことによる。八卦をさらに二つずつ組み合わせると、実生活の事象から自然現象などのあらゆる変化を表す六四卦が得られる。

[芳井敬郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「筮」の意味・わかりやすい解説


ぜい
shi

中国,古代に興った占いの一方法。殷以前の亀卜に対し,周代に興ったものとされ,『易経』にその方法が説かれている。 50本の蓍 (めどぎ) または竹の細棒を一定方法で操作し,その結果によって卦 (か) ,爻 (こう) を定め,それにより運勢を占うものである。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【易】より

…中国,殷代の亀卜(きぼく)に代わって,周代に生み出された筮竹(ぜいちく)による占い。大事には卜し小事には筮すといわれるように(鄭玄(じようげん)のことば),亀卜の権威はその後も保たれていたが,数的メカニズムを備えた筮がしだいに卜を圧倒していき,やがてそのテキストである《易》が整備され,ついでそれが経典の座を占めるにおよんで筮=易の地位は不動のものとなり今日に至っている。…

【筮竹】より

…本来は,100年たつと1本から100茎が生じるという伝承のある,長命の多年生植物蓍(めどはぎ)の茎が使われたが,のちには竹で代用するようになった。筮という字のなかに巫(みこ)があるのは,巫に代わって筮=蓍が神と人との仲介をすることを表す。それで,古くは易(占)のことを筮と呼んだ。…

※「筮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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