日本大百科全書(ニッポニカ) 「細見綾子」の意味・わかりやすい解説
細見綾子
ほそみあやこ
(1907―1997)
俳人。兵庫県生まれ。日本女子大学卒業後結婚するが夫病没。郷里で肋膜(ろくまく)炎を病む。医師の勧めで作句。1929年(昭和4)より松瀬青々(せいせい)に師事、『倦鳥(けんちょう)』に投句。37年青々死去。42年第一句集『桃は八重(やえ)』刊行。46年(昭和21)『風』創刊、同人となる。翌年同誌の沢木欣一(きんいち)と結婚。以後『冬薔薇(ふゆそうび)』(1952)で茅舎(ぼうしゃ)賞、『伎芸天(ぎげいてん)』(1975)で芸術選奨文部大臣賞、『曼陀羅(まんだら)』(1979)で蛇笏(だこつ)賞を得た。平淡典雅の作風で、女流の第一人者であった。
[平井照敏]
女身仏に春剥落(はくらく)のつづきをり
『『細見綾子全句集』(1979・立風書房)』▽『沢木欣一著『細見綾子俳句鑑賞』(1992・東京新聞出版局)』▽『細見綾子著『武蔵野歳時記』(1996・東京新聞出版局)』