経世大典(読み)けいせいたいてん

精選版 日本国語大辞典 「経世大典」の意味・読み・例文・類語

けいせい‐たいてん【経世大典】

中国類書。八九四巻。元の文宗勅命により、趙世延(ちょうせいえん)虞集を正副総裁とする奎章閣(けいしょうかく)学士院の撰。天暦二~至順二年(一三二九‐三一成立。元朝の典故制度に関する公文書を君事四、臣事六の一〇編に収める。現存しないが、「元文類以下永楽大典」などに部分的にみられる。

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デジタル大辞泉 「経世大典」の意味・読み・例文・類語

けいせいたいてん【経世大典】

中国の類書。894巻。の文宗の勅命により、奎章閣けいしょうかく学士院編。1329~1331年成立。元代の典故や制度に関する公文書を10編に分けて収録したもの。代に散逸し、一部が「永楽大典」に引用されて残存

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経世大典」の意味・わかりやすい解説

経世大典
けいせいたいてん
Jing-shi-da-dian; Ching-shih-ta-tien

中国,元朝の制度を記した勅撰の類書。 894巻。至順2 (1331) 年完成。その編目は,君事 (帝号,帝訓,帝制,帝系) ,臣事 (治典,賦典,礼典政典憲典,工典) の2群 10編に分れ,後群は『元史』の志類の基本資料となった。『経世大典』は,明の中期以後散逸し,現在はその各編の序録が『元文類』に収録されるほか,『永楽大典』作成に利用されたジャムチ (站赤) の項など一部が残存するのみ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「経世大典」の意味・わかりやすい解説

経世大典
けいせいたいてん

中国、元(げん)朝の典故、制度を、官庁文書や記録をもとに編纂(へんさん)したもの。元代の趙世延(ちょうせいえん)、虞集(ぐしゅう)などの撰(せん)で、1331年に成り、『元史』の志類の基礎資料である。明(みん)代中期以降に本書は散佚(さんいつ)し、現在は虞集の撰した『国朝文類』に各編の序録が、また『永楽大典』に引用された「站赤(ジャムチ)」(駅伝)や「大元馬政記」など、一部が残っているにすぎない。

[松田孝一]

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旺文社世界史事典 三訂版 「経世大典」の解説

経世大典
けいせいたいてん

14世紀,元の諸法令を分類編纂 (へんさん) させたもの
894巻。現存せず,明の『永楽大典』中に駅伝制の部分が引用されている。元史研究の貴重な史料。

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