中国、元代の儒臣、文学者。字(あざな)は伯生、号は道園また邵庵(しょうあん)、諡(おくりな)は文靖(ぶんせい)。南宋(なんそう)遺民の子として臨川(江西省)に生まれ、幼時より逆境のなかで学問に励む。開朝以来のモンゴル至上主義は、元代なかば以降ようやく緩和し、伝統的漢文化尊重の気運が上昇するが、そのなかで指導的役割を果たした。大都(北京(ペキン))の宮廷に儒臣として仕え、とくに文宗創設になる学問所奎章閣(けいしょうかく)にあっては『経世大典』880巻編集を主宰した。元末の文壇の重鎮であり、格調の高い詩文は第一と称され、『道園学古録』50巻にうかがわれる。
[小栗英一 2016年2月17日]
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中国,元の学者。字は伯生,道園と号し,江西臨川の人。呉澄に学び,都に出て国子助教となった。中国文化の心酔者であった文宗に寵遇され,翰林院と奎章閣の諸官を歴任し,柯九思と共に彼の芸術品収集鑑定の顧問となった。博学能文で,学術文芸のすべての面における多彩な業績は,元代を代表するものといえよう。詩は唐詩の格調を主とし,楊載,范梈(はんほう),掲傒斯と共に,元の四大家と称される。著に《道園学古録》がある。
執筆者:福本 雅一
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