結う(読み)ユウ

デジタル大辞泉 「結う」の意味・読み・例文・類語

ゆ・う〔ゆふ〕【結う】

[動ワ五(ハ四)]
縄やひもなどで縛る。むすぶ。「帯を―・う」
髪を整えて結ぶ。「桃割れを―・う」「ちょんまげを―・う」
組み立てる。作る。
「枕づくつま屋の内にとぐら―・ひすゑてそが飼ふ真白斑ましらふの鷹」〈・四一五四〉
つくろい縫う。
「几帳どものほころび―・ひつつ、こぼれ出でたり」〈・九〇〉
[可能]ゆえる
[類語]結ぶ結わえる縛るくくりつける取り結ぶ縛り付ける縛り上げるつなぐ結い上げる結わえ付ける結わく継ぐつなぎ止めるもや結び付ける継ぎ合わせる結び合わせる接続連結

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「結う」の意味・読み・例文・類語

ゆ・うゆふ【結】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙
  2. 結ぶ。しばる。糸・ひも・なわなどでくくる。
    1. [初出の実例]「一人のみ着ぬる衣の紐解かば誰かも由波(ユハ)む家遠くして」(出典万葉集(8C後)一五・三七一五)
  3. 髪を結ぶ。乱れた髪の毛をたばねととのえる。結髪する。いう。
    1. [初出の実例]「肥人(こまひと)の額髪結(ゆ)へる染木綿(しめゆふ)の染みにしこころ我れ忘れめや」(出典:万葉集(8C後)一一・二四九六)
  4. 一つのものに組み立てる。作り構える。つくる。
    1. [初出の実例]「枕付く 妻屋のうちに 鳥座(とくら)由比(ユヒ) すゑてそ我が飼ふ 真白斑の鷹」(出典:万葉集(8C後)一九・四一五四)
    2. 「とく帰りなんと急ぎ給へど、御車の輪ゆふ程に」(出典:落窪物語(10C後)二)
  5. つくろい縫う。糸でつづる。
    1. [初出の実例]「几帳どものほころびゆひつつ」(出典:枕草子(10C終)九〇)
  6. 獣の毛をたばねて筆の穂とする。筆を作る。
    1. [初出の実例]「宣城の筆人採りて筆に為(ユフ)(〈別訓〉ツクル)」(出典:白氏文集天永四年点(1113)四)

結うの補助注記

この語の変化した「いう」の形の用例も見られる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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