繁い(読み)シゲイ

デジタル大辞泉 「繁い」の意味・読み・例文・類語

しげ・い【繁い】

[形][文]しげ・し[ク]
草木などが密集しているさま。「枝が―・く伸びた」
「―・き草、よもぎをだにかき払はむ」〈蓬生
数量が多い。たくさんある。
「光冷やかに、白露は地に―・く」〈中島敦山月記
「人―・イ所」〈日葡
回数が多い。絶え間ない。「雨が―・くなる」
「昔は、牛車の行きかいの―・かった道も」〈芥川偸盗
多すぎて煩わしい。うるさい。
「人言の―・くしあらば君もあれも絶えむと言ひて逢ひしものかも」〈・三一一〇〉
人家などが密集しているさま。込み合っている。
「隣―・く、とがむる里人多く侍らむに」〈夕顔
[補説]現代では終止形・連体形を用いることはほとんど無く、連用形「しげく」が多く用いられる。→しげ

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精選版 日本国語大辞典 「繁い」の意味・読み・例文・類語

しげ・い【繁】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙 ( 文語形容詞「しげし(繁)」の口語形で、おもに、室町時代から近世にかけて用いられたもの ) =しげし(繁)
    1. [初出の実例]「暦算を置く人に日食のしけい事を問へば不知と云わるるぞ」(出典:漢書列伝竺桃抄(1458‐60)楚元第六)
    2. 「みやつかいは、しげいもの」(出典:歌謡・田植草紙(16C中‐後)朝歌三番)
    3. 「ヒト xiguei(シゲイ) トコロ〈訳〉人々がしばしば行く所」(出典日葡辞書(1603‐04))
    4. 「心の往き交ひ繁い沈黙」(出典:今年竹(1919‐27)〈里見弴〉渡風流水)

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