美深(読み)びふか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「美深」の意味・わかりやすい解説

美深(町)
びふか

北海道北部、上川(かみかわ)総合振興局管内の町。1923年(大正12)町制施行。町名はアイヌ語ピウカ(石原の意)による。名寄(なよろ)盆地の北部に位置し、名寄市の北に接する。中央部を天塩(てしお)川が北流し、これに沿って平地が開ける。東西両翼は北見、天塩両山地で、森林面積は町域の約84%を占め、うち約77%が道有林で木材加工が行われる。1901年(明治34)から本格的開拓が始まり、大規模稲作の北限地として知られ、造田、畑地還元が繰り返された歴史がある。最盛時に1000ヘクタールを超えた稲作は1998年には335.6ヘクタールに減り、大豆、小麦、サトウダイコンジャガイモなどの畑作酪農伸長が目だつ。JR宗谷(そうや)本線と国道40号、275号が通じるが、美深駅から分岐し仁宇布(にうぷ)に至った旧国鉄美幸線(びこうせん)は1985年廃止、バスに転換。仁宇布の南方6キロメートルの山中に松山湿原とよばれる高層湿原がある。面積672.09平方キロメートル、人口4145(2020)。

岡本次郎

『『美深町史』(1971・美深町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「美深」の意味・わかりやすい解説

美深[町] (びふか)

北海道北部,上川支庁中川郡の町。人口5178(2010)。名寄盆地北部に位置し,中央を北流する天塩川沿いに肥沃耕地が広がる。市街地は南部のJR美深駅周辺にあり,国道40号線が南北に抜け,国道275号線を西へ分岐する。1900年ころはじめて開拓移民が入植し,11年には宗谷本線名寄~恩根内(おんねない)間が開通して本格的に開拓が進んだ。内陸部での大規模稲作の北限地で,最盛時には1000haに及ぶ水田があったが,その後の冷害や生産調整により半減した。現在は畑作と酪農が農業の中心で,ジャガイモ,小麦,テンサイなどを多産する。北部は酪農地帯で,恩根内に大規模な共同牧場がある。天塩山地を背後に控えて町域の大部分を山林が占め,林業,木材加工業も盛んである。
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百科事典マイペディア 「美深」の意味・わかりやすい解説

美深[町]【びふか】

北海道北部,中川郡の町。宗谷本線が通じる。東は北見山地,西は天塩(てしお)山地で,天塩川沿いの盆地でジャガイモ,テンサイを産するが,米作は北限地で,畑作が中心。酪農も行われ,木材加工が盛ん。672.09km2。5178人(2010)。

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