日本の古画の考証、目録を兼ねた画誌。江戸末期の国学者黒川春村(はるむら)(1799―1866)による古画の目録をもとに、門弟で養子の黒川真頼(まより)(1829―1906)と古川躬行(みゆき)とが新たに多くを書き加え、12巻となったものを『増補考古画譜』と名づけて明治になって次々と刊行(1882~1901)した。真頼の死後、その全集をまとめるに際し、門人たちの意向により、当時帝室博物館員で臨時全国宝物取調掛(とりしらべがかり)であった片野四郎に新資料の加筆を依頼、3年の年月をかけて完成、1910年(明治43)4月『黒川真頼全集』(国書刊行会発行)の第1、2巻に『訂正増補考古画譜』として収録した。内容は17巻よりなり、類字によって分類され、今日もなお古画研究の重要な資料とされている。
[永井信一]
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