黒川春村(読み)クロカワハルムラ

デジタル大辞泉 「黒川春村」の意味・読み・例文・類語

くろかわ‐はるむら〔くろかは‐〕【黒川春村】

[1799~1867]江戸後期の国学者。江戸の人。通称次郎左衛門。号、薄斎。初め狂歌を学び、のち国学に入り、考証に長じた。著「墨水雑鈔ぼくすいざっしょう」「音韻考証」など。

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精選版 日本国語大辞典 「黒川春村」の意味・読み・例文・類語

くろかわ‐はるむら【黒川春村】

  1. 江戸後期の国学者、狂歌作者。通称次郎左衛門。号薄斎。江戸の人。はじめ狂歌をよくして三世浅草庵(せんそうあん)を名のり、文政・天保期の狂歌界に活躍。のち狩谷棭斎(えきさい)学風を学び、考証学一家をたてる。厳密な考証を特色とし、「音韵考証」「古物語類字抄」などの著作がある。寛政一一~慶応二年(一七九九‐一八六六

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒川春村」の意味・わかりやすい解説

黒川春村
くろかわはるむら
(1799―1866)

江戸後期の国学者。江戸・浅草田原町に生まれる。通称次郎左衛門、のち主水(もんど)。号は薄斎(すすきのや)。初め2世浅草庵(あん)深沢守舎(もりや)に狂歌を学び、その後を継いで3世浅草庵を称す。のち国学に専念し、とくに音韻・文法の研究に力を注いだ。信州須坂藩主堀直格(なおのり)の命で『歴代残闕(ざんけつ)日記』(1858成立)を編集する。『音韻考証』『碩鼠(せきそ)漫筆』(1859、高橋広道編)など、著作の多くは未定稿のままに終わった。慶応(けいおう)2年12月26日没。68歳。墓は東京都台東(たいとう)区寿の永見寺に現存。養嗣子(ようしし)黒川真頼(まより)(1829―1906)も国学者として知られ、帝国大学文科大学教授、文学博士。本姓金子。父子蔵書はノートルダム清心女子大学などに所蔵

[梅谷文夫]

『玉林晴朗著『黒川春村と其の著述』(『国学者研究』所収・1943・北海出版社)』『大川茂雄・南茂樹編『国学者伝記集成』(1904・大日本図書/復刻版・1967・名著刊行会)』『『黒川真頼全集』全6冊(1910~11・国書刊行会)』

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改訂新版 世界大百科事典 「黒川春村」の意味・わかりやすい解説

黒川春村 (くろかわはるむら)
生没年:1799-1866(寛政11-慶応2)

江戸末期の国学者。通称は初め治郎左衛門,のちに主水。号は薄斎。江戸浅草田原町に生まれ,初め狂歌で名を成したが,のち和歌の道に進み狩谷棭斎(えきさい)について古学を修めた。清水浜臣岸本由豆流,伴信友らと交友し,考証学を得意とした。浜臣,信友没後は内藤広前(ひろさき)(1791-1866)と共に江都の博識をもって称せられたが,性篤実で隠逸を愛した。《淡海名寄》《歌道手引草》《音韻考証》《節用集考》《碩鼠漫筆》などその編著は膨大な数にのぼっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒川春村」の意味・わかりやすい解説

黒川春村
くろかわはるむら

[生]寛政11 (1799).江戸
[没]慶応2 (1866).12.26. 江戸
江戸時代後期の国学者。通称は次郎左衛門,のちに主水。号は薄斎。黒川真頼養父。初め狂歌作者として活躍,3世浅草庵を継ぐ。のち和歌に転じ,本居宣長に私淑して国学に志し,宣長の説を奉じる。一方では狩谷棭斎の門下に入り,言語の研究に励む。出典を明確にするなど緻密な考証を旨とし,考証学において顕著な功績を残した。主著『碩鼠漫筆』(1859),『音韻考証』(1862),『古物語類字抄』『金石銘文鈔』。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「黒川春村」の解説

黒川春村 くろかわ-はるむら

1799-1867* 江戸時代後期の国学者。
寛政11年6月9日生まれ。狂歌を2代浅草庵にまなび,3代をつぐ。のち国学に専念し,本居宣長(もとおり-のりなが)の学風をつぐ。狩谷棭斎(えきさい),伴信友らの影響をうけ,考証をおもんじた。慶応2年12月26日死去。68歳。江戸出身。通称は次郎左衛門,主水(もんど)。号は薄斎(すすきのや)など。著作に「音韻考証」「猿楽考証」など。

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367日誕生日大事典 「黒川春村」の解説

黒川春村 (くろかわはるむら)

生年月日:1799年6月9日
江戸時代後期の国学者;狂歌師
1867年没

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