背筋力(読み)ハイキンリョク(英語表記)back muscle strength

デジタル大辞泉 「背筋力」の意味・読み・例文・類語

はいきん‐りょく【背筋力】

背中筋肉の総筋力背筋を伸ばして身体前方に曲げた状態から、一気に直立に戻るときに出すことができる力量。背筋力計で測定し、キログラムを単位として表す。

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精選版 日本国語大辞典 「背筋力」の意味・読み・例文・類語

はいきん‐りょく【背筋力】

  1. 〘 名詞 〙 背中の筋肉の力。

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改訂新版 世界大百科事典 「背筋力」の意味・わかりやすい解説

背筋力 (はいきんりょく)
back muscle strength

体力の測定において全身の筋力の指標となるもので,1910年代から,手,体幹,足などの抗重力筋群(身体の後ろ側の筋群)を中心とした全身の引き上げる筋力として計測されてきた。計測はひざを伸ばし,腰から上体を30度前かがみにした手に,力量計を介した棒を握り,上体を腰から伸ばすように最大努力で引き上げる。この背筋力計測時の筋肉の使い方を筋電図で調べると,上肢,肩,腰,臀部下肢など各部がよく使われ,全身の力といわれるゆえんでもある。成人男子の背筋力は100~130kg,女子では50~80kgで,年齢的推移は20歳代でピークになり,その後,年齢による低下は大きい。職業別では重量物を取り扱う作業者で140~180kgくらいである。最近の労働者の背筋力は30年くらい前の資料と比較すると約20kgくらい低位になっている。これらの現象は生活場面における背筋の使用と関連しているとみられ,姿勢保持や疲労性に影響するといわれる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「背筋力」の意味・わかりやすい解説

背筋力
はいきんりょく

背筋力計を使って測定した力を一般に背筋力とよんでいる。背筋力計によって測定される値は、体幹背部にある広背筋を中心とした筋群、および腰部や殿部の筋力が総合されたものである。測定される値を適正なものとするためには、膝(ひざ)を曲げない、背筋(せすじ)を伸ばす、腰の前傾角度を30度にして鉛直上方に徐々に力を入れ、最大の力まで引くなどの方法を守ることがたいせつである。背筋力は、握力とともに、体の筋力を示す代表値の一つとして考えられており、成長に伴って大きな値を示すようになる。また、背筋力は、人間が二足直立姿勢を保つうえではたいせつなものであるが、さらに運動時などでは腹筋とうまくバランスのとれていることも必要となる。一般成人男子の背筋力は150キログラム前後であるが、優れた運動選手(レスリングやウエイトリフティングなど)では200~300キログラムとなる。

[小野三嗣]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「背筋力」の意味・わかりやすい解説

背筋力
はいきんりょく

体幹と下肢をまっすぐに伸ばしたのち,体幹を 30度前傾した姿勢から伸展する際に出しうる背筋の最大力量をいう。背筋力は普通ばねの反発力を利用した背筋力計を用いて測定する。背筋力は体重や身長との相関が高く,男女とも 25歳前後で最高となる。

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