出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
脳動脈硬化による血管内腔(ないくう)の狭窄(きょうさく)を基盤として閉塞(へいそく)が生じ、血流が遮断される結果、閉塞された動脈領域に壊死(えし)をおこし、脳梗塞(こうそく)が形成される疾患をいう。
[荒木五郎]
しばしば一過性脳虚血発作が前駆症状としてみられる。一般に症状は徐々に経過し、言語障害や片麻痺(へんまひ)などの神経症状は数分ないし数時間、あるいはそれ以上かかって出そろい、また段階的に進行する。頭痛はないか、あっても軽度である。意識障害もないか軽度であるが、片麻痺、失語症、半盲症などの神経症状が明らかに把握できる。高血圧は脳出血ほど密接な関係がなく、半数は正常血圧か低血圧である。腰椎穿刺(ようついせんし)によって採取した髄液は、水様で透明である。
脳血栓は、閉塞する血管の部位によって症状ならびに予後も異なる。大脳半球では、内頸(ないけい)動脈、中大脳動脈、前大脳動脈、後大脳動脈などの主幹動脈の閉塞による皮質枝梗塞と、線条体動脈、視床膝(しつ)状体動脈などの穿通枝動脈の閉塞による基底核梗塞とに分けられる。内頸動脈や中大脳動脈領域の障害では、片麻痺(上肢が下肢より麻痺が強い)、失語症、半盲症(右または左半分の視野欠損)、失行(行為錯誤)、失認(認知不能)などの症状がみられる。前大脳動脈領域では、種々の精神症状、尿閉、尿失禁、片麻痺(上肢より下肢が強い)がみられ、後大脳動脈領域では、半盲症や、字は書けるが読めない現象がおきる。また脳幹では、椎骨(ついこつ)・脳底動脈系の血管閉塞によって、小脳、延髄、橋(きょう)などに脳梗塞がおこる。この領域では、めまい、眼振(他覚的に容易に認められる眼球の律動的運動)、平衡障害などがくるのが特徴である。なお、穿通枝動脈領域では、片麻痺と知覚鈍麻だけがくる。脳血栓は一般に生命の予後はよいが、合併症で死亡することがある。
[荒木五郎]
血圧は急性期には下げないのが原則である。ウロキナーゼで血栓を溶かそうとする線維素溶解(線溶)療法をはじめ、血小板凝集抑制剤、脳循環改善剤、赤血球変形能改善剤などが用いられているが、効果はなお明らかではない。リハビリテーションは発病1、2週から始める。
[荒木五郎]
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