脳震盪(読み)ノウシントウ

デジタル大辞泉 「脳震盪」の意味・読み・例文・類語

のう‐しんとう〔ナウシンタウ〕【脳震×盪/脳振×盪】

頭部衝撃を受けた後に起こる一過性の脳機能障害。医学的には、意識消失が6時間未満で、脳の器質的損傷を示す症状がない状態をいう。→セカンドインパクト症候群
[補説]健忘・混乱・ふらつき・頭痛吐き気・視野障害などの症状がみられ、意識の消失を伴わない場合もある。多くの場合、短時間回復するが、スポーツ時に脳震盪が疑われる場合は、競技練習への参加を停止し、医師診断を受ける必要がある。

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精選版 日本国語大辞典 「脳震盪」の意味・読み・例文・類語

のう‐しんとうナウシンタウ【脳震盪・脳振盪】

  1. 〘 名詞 〙 頭部の外傷により一時的に意識を失うが、脳に解剖学的変化を残さない状態。短時間の意識障害、先行性健忘を示し、頭痛、耳鳴り眩暈(めまい)などを多く伴う。
    1. [初出の実例]「全く落馬の為脳震盪を起したるものと知れ」(出典:東京朝日新聞‐明治三九年(1906)一二月一五日)

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百科事典マイペディア 「脳震盪」の意味・わかりやすい解説

脳震盪【のうしんとう】

頭部打撲により一時的に起こる脳障害。意識を失うが脳に肉眼的な変化を残さない。嘔吐(おうと),眼華閃発(せんぱつ)(眼から火が出るように感じる),視野暗点(眼の前が暗くなる)のほか,頭痛,めまい,耳鳴り,不眠などの症状を呈する。安静により短時間で回復。
→関連項目頭部外傷むち打ち症

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