腎・尿路系の検査

四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「腎・尿路系の検査」の解説

腎・尿路系の検査

腎・尿路系のおもな検査と病気


●腎盂造影検査(→参照

 ⇒腎臓結石腫瘍結核、尿管結石、膀胱の腫瘍や結石、遊走腎、水腎症などを検査します。

●膀胱尿道造影検査(→参照

 ⇒前立腺肥大症、前立腺がん、尿道狭窄、尿道憩室、膀胱腫瘍(がん)などを検査します。

●腎血流シンチグラフィ検査(→参照

 ⇒腎不全腎腫瘍、腎血管性高血圧などを検査します。

●その他

腹部超音波検査(→参照)、腹部CT検査(→参照)、MR検査(→参照)などを行います。

 じん臓は、握りこぶしくらいの大きさで、そら豆のような形をしていて、左右に1個ずつあります。腎臓は尿をつくる臓器で、尿路は尿を体外に排出するための器官です。腎臓でつくられた尿は腎に集められ、尿管を通って膀胱ぼうこうにためられて、尿道から体外に排出されます。この全行程を尿路といいます。

 腎・尿路系のおもな病気には、以下のようなものがあります。

●尿路結石

 尿路にできた結石で、結石がある場所によって腎臓(腎盂・腎ぱい)結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石などと呼ぶ。

 腎臓結石の多くは無症状、あっても腰背部の重苦しい感じや鈍い痛み、肉眼的血尿など。尿管結石のおもな症状は、激しい下腹部痛、さし込むような猛烈な痛み(せん痛発作)、放散痛、吐き気・嘔吐おうと、血尿など。

●水腎症

 尿路の閉塞・狭窄によって尿の流れがとどこおり、それより上部の腎盂・腎杯や尿管が拡張した状態。側腹部の痛み、血尿など。

●慢性腎不全

 慢性の腎疾患、とくに慢性糸球体腎炎の持続によって、腎臓の機能が低下した状態。おもな症状は、吐き気・嘔吐、皮膚のかゆみ、脱力感、疲れやすい、頭重ずじゅう感、高血圧、むくみなど。

●膀胱がん

 膀胱の内腔に発生するがん。とくにほかの症状もなく、血尿のみが現れる無症候性血尿が特徴的。その他、排尿痛ひん尿、残尿感など。

●前立腺肥大症・前立腺がん

 膀胱の底部に接して尿道をとり巻いて存在する前立腺の内部(内腺)が肥大してくる状態で、男性だけにおこる病気。おもな症状は、残尿感、頻尿排尿が我慢できない、夜間に何度も排尿のため起きるなど。

 前立腺がんは前立腺の外側(外腺)にできるため、肥大症とがんは本来は別物だが、しばしば合併して発症する。がんの場合は、初期にはあまり自覚症状はなく、進行すると肥大症と同様の症状が出てくる。

出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報