(読み)フ

デジタル大辞泉 「腑」の意味・読み・例文・類語

ふ【×腑】

はらわた内臓臓腑。「胃の」「分け」
心。心根性根
「それほどおれは―の無い奴か」〈露伴五重塔
[類語]はらわた心胆

ふ【腑】[漢字項目]

[音]フ(呉)(漢)
食物液体の収まる臓器。はらわた。「臓腑六腑
心。「肺腑
難読腑甲斐ふがい無い

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精選版 日本国語大辞典 「腑」の意味・読み・例文・類語

ふ【腑】

  1. 〘 名詞 〙
  2. はらわた。臓腑。〔運歩色葉(1548)〕 〔抱朴子至理
  3. 考え。了簡。思慮分別。また、性根(しょうね)。いきじ。
    1. [初出の実例]「それほどおのれは腑(フ)の無い奴か、恥をも知らぬ奴と見ゆるか」(出典:五重塔(1891‐92)〈幸田露伴三四)

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普及版 字通 「腑」の読み・字形・画数・意味


12画

[字音]
[字訓] はらわた・こころ

[字形] 形声
声符は府(ふ)。府はものを蔵する所。内臓の諸官を臓腑という。人に五臓六腑がある。

[訓義]
1. はらわた、臓腑。
2. こころ。

[熟語]
腑水腑臓腑肺腑冷
[下接語]
肝腑・襟腑心腑・臓腑・肺腑・六腑

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【臓腑説】より

…中国医学の基本的な概念の一つで,《素問》《霊枢》など,漢代の《黄帝内経》に由来するという書に記載され,その後これを中心にして発展した。臓と腑はもとは蔵と府と書かれていた。臓と腑も胸部と腹部の内臓であるが,臓は内部の充実した臓器で気を蔵し,腑は中空のもので摂取した水と穀物を処理したり,他の部位に輸送したり,体外に出したりするという区別がされている。…

※「腑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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