膝栗毛(読み)ヒザクリゲ

精選版 日本国語大辞典 「膝栗毛」の意味・読み・例文・類語

ひざ‐くりげ【膝栗毛】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 馬やかごなどの乗り物に乗らないで、徒歩で旅行すること。
      1. [初出の実例]「別に求はないぞ。さる程にひさくりけでいくぞ」(出典:四河入海(17C前)二三)
    2. 住所を定めないで諸方を浮浪すること。
  2. [ 2 ] 滑稽本。十返舎一九作。主人公彌次郎兵衛・喜多八(北八)が東海道を経て京・大坂を見物するまでの八編が正編「東海道中膝栗毛(浮世道中膝栗毛)」。「続膝栗毛」は、金毘羅宮島を参詣し、木曾街道善光寺を経て中山道を通り江戸帰着までを扱う一二編。読者の好評にこたえ、享和二年(一八〇二)以後文政五年(一八二二)まで、二一年にわたって書き継がれた。後にも「続々膝栗毛」三編、その他類作を多く書くが、「続膝栗毛」以下は、ややマンネリ化して低調と評されている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の膝栗毛の言及

【東海道中膝栗毛】より

…8編17冊。初編・後編は《浮世道中膝栗毛》と外題し,3編より《東海道中膝栗毛》。江戸神田八丁堀の住人栃面屋(とちめんや)弥次郎兵衛と喜多八が東海道を西へ旅をし,伊勢参宮をして大坂から京都にたどりつくという旅行記の形式の滑稽文学である。…

※「膝栗毛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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