日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
臨床検査技師・衛生検査技師
りんしょうけんさぎしえいせいけんさぎし
臨床検査技師は、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床検査技師の名称を用いて、医師の指導監督のもとに、人体から採取した検査材料(検体)を取り扱っての微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査、生化学的検査、および政令第226号(1958)に定める生理学的検査を行うことを業とする者をいう。ここでいう生理学的検査とは、(1)心電図検査(体表誘導によるものに限る)、(2)心音図検査、(3)脳波検査(頭皮誘導によるものに限る)、(4)筋電図検査(針電極による穿刺(せんし)を除く)、(5)基礎代謝検査、(6)呼吸機能検査(マウスピースおよびノーズクリップ以外の装着器具によるものは除く)、(7)脳波検査、(8)超音波検査などである。なお、臨床検査技師は、政令第226号で定める四肢の表在静脈等から検査のための採血行為が、医師の具体的な指示によりできる。すなわち、臨床検査に伴う医行為が許されているわけである。
一方、衛生検査技師は、厚生労働大臣の免許を受けて、衛生検査の名称を用いて、医師の指導監督のもとに、臨床検査技師の業務である生理学的検査や採血行為以外の人体から採取した検体を取り扱っての、前述した微生物学的検査等の6項目の検査を行える者をいう。
臨床検査技師の免許は、厚生労働大臣が行う国家試験に合格した者に与えられる。また、受験資格は、文部科学大臣が指定した学校、または厚生労働大臣が指定した臨床検査技師養成所において、3年以上、または規定する検査に必要な知識・技能を修得した者に限られる。衛生検査技師の免許は、大学の医・歯・薬学部および獣医学部で正規の課程を修得した者等に資格があり、申請により免許が与えられる。臨床検査技師、衛生検査技師は、病院(医療施設)、研究機関、検査センターなどに勤務している。なお、両者とも「臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律」(昭和33年法律76号)の規制を受ける。
[吉田安雄]