植物の花粉が同一個体の花のめしべに受粉し,次世代の植物をつくる現象。この場合,同じ遺伝子型をもつ雌雄の生殖細胞が合体することになる。両性花の場合,同じ花の中のおしべから出た花粉がその花のめしべに受粉することを自花受粉,あるいは同花受粉ということもある。これに対して,ある植物の花粉が他の個体の植物のめしべに受粉する現象を他家受粉cross pollination(あるいは他殖allogamy)という。他家受粉を行えば遺伝子の交流が集団内でスムーズに行われ,その集団は遺伝的に安定したものとなる。雌雄同花でめしべとおしべが同時に成熟するにもかかわらず,不和合性のみられることがあるが,これは自家不和合性といわれる現象で,これによって自家受粉が阻止されている。種子植物以外の植物群でも,同一個体から出た2個の生殖細胞が合体するのを防ぐ機構が生理的,生態的に発達していることが多い。
執筆者:岩槻 邦男
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…雌性生殖器官の側からの表現で受粉といわれることが多いが,花粉の側からの発想で授粉といわれることもあり,最近では繁殖の生物学の分野で昆虫による送粉といわれることも多くなってきた。 受粉には同じ個体の雌性生殖器官に付着する自家受粉と,必ず他の個体の雌性生殖器官に着く他家受粉とがある。自家受粉のうちで,雌雄同花であって,同じ花のめしべの柱頭に受粉する場合は同花受粉,同じ花序の他の花に受粉する場合は隣花受粉,同じ個体であっても異なった花に受粉する場合は同株他花受粉などと区別することもある。…
※「自家受粉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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