精選版 日本国語大辞典 「自慰」の意味・読み・例文・類語
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乳幼児が陰部を触ったり、何かに押しつけたり、あるいは足を閉じて力を入れるような行動で、自らの陰部に刺激を与える行為です。成人の自慰と異なり、性的な意味はありません。
乳児は、自分の体のいろいろなところを触って、自分の体のつくりと動きを確認します。指しゃぶりや足先なめ、手をじっと見るハンドリガードは、そうした探索行動と考えられます。乳幼児の手の届くところにちょうどあるのが陰部であるために、性器いじりもそうした探索行動と考えられます。そうした性器いじりをしている時に、独特の感覚が生じ、それを繰り返して行うのだと考えられます。
繰り返し陰部や性器を触ったり握ったりする行動のほか、着衣の上から陰部を家具などに押しつけたり、足を硬く閉じて力を入れ性器や陰部を圧迫したりします。同時に全身に力を入れ、顔を赤くしたりします。
伝統的に自慰は悪い行いであると考えられていることもあり、乳幼児の自慰行為に性的な意味を与えがちですが、前述のように性的な意味はありません。叱ったりせず、何かほかのことに興味を移すよう誘導することがすすめられています。しかし、そうしなければ乳幼児の性的発達に悪影響が出るわけではありません。
榊原 洋一
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
性交によらず自分の性器を直接に刺激することによりオルガスムスを得ようとする行為で、オナニー、オナニスムともいう。多くは手によって性器を刺激し、手淫(しゅいん)ともいうが、手以外の器具を使用することもある。自慰をする際は性的空想を伴うのが普通である。
自慰は思春期以後の性の成熟過程でごく自然に体験するもので、肉体的になんらの障害も与えず、性的欲求を満足させ、性的興奮を解放するという面からみれば、悪い行為とはいえない。自慰を罪悪視する考えが過去にあり、自慰に後ろめたい気持ちを感ずる人も少なくないが、この罪悪感こそがむしろ有害であり、自慰への偏見を生み出している。しかし、ときには知的障害などの病状に伴って抑制のない過度の病的自慰がみられることがあるので注意する。また、耽溺(たんでき)のあまり、体に危険な器具を使って尿道損傷をおこすこともある。
[白井將文]
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