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航空損害賠償責任 こうくうそんがいばいしょうせきにん

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

航空損害賠償責任
こうくうそんがいばいしょうせきにん

航空運送,地上第三者損害,空中衝突などの分野において生じる航空私法上の損害賠償責任をいう。航空運送については,ワルシャワ国際航空運送条約およびその数次の改正により,また墜落などによる地上第三者に対する損害については,ローマ航空機地上損害条約により賠償責任が定められている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

航空損害賠償責任
こうくうそんがいばいしょうせきにん

航空私法上の損害賠償責任。航空運送、地上第三者損害、空中衝突の場合があるが、重要なのは航空運送の場合で、基本条約として1929年ワルシャワで署名された「国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約」(ワルソー条約)がある。これは事故の場合の運送人の責任について、過失推定主義(運送人が無過失の証明をしない限り、原則として運送人が責任を負う)をとるとともに、責任額を旅客1人当り12万5000金フラン託送手荷物・貨物1キログラム当り250金フランに制限する。この責任制限がつねに問題を惹起(じゃっき)する。ワルソー条約の責任限度額は、1955年のハーグ改正議定書(1963年発効)で2倍に引き上げられた。しかしアメリカはこの引上げにも低額すぎると不満で、この条約からの脱退を図ったが、結局国際航空運送協会(IATA(イアタ))の企業間協定(モントリオール協定。1966年締結)で、アメリカの領域内の一地点を発着・寄航地とする運送については、旅客死傷の責任を無過失責任、限度額7万5000ドルとなった。その後ワルソー条約の改正が行われ、1971年「グアテマラ改正議定書」が採択され、運送人の責任はきわめて厳格な無過失責任で、限度額は旅客1人150万金フラン、手荷物について旅客1人当り一律に1万5000金フラン、以上の金額でも不十分な場合は、国内的な措置で補うこともできる。この金額はその後1975年のモントリオール第三追加議定書によってSDR(国際通貨基金特別引出し権)建てに改正された。しかしこのグアテマラ議定書は、未発効のままで、この間、日本の航空会社は1982年(昭和57)、それぞれの運送約款によって国内航空について限度額を撤廃、さらに1992年(平成4)、国際航空について世界に先駆けて限度額を撤廃した。ただし責任原則としては10万SDRまでは無過失責任、これを超える請求については無過失の抗弁を維持できるとしている。このように賠償限度額について、合理的な世界統一制度ができていないために、賠償の実際は各国のそれぞれの航空会社により異なるというのが実状であった。
 このような状況を改善するために、IATAは1995年、限度額を撤廃するための協定を作成し、この協定がアメリカ政府の認可を受け、発効することが確実になったため、世界の各航空会社でこれに加入するものが着実に増加。以上の民間の航空会社間の動きにあわせ、国連の専門機関である国際民間航空機関(ICAO(イカオ))では、ワルソー条約における賠償上限の撤廃を目ざし、同条約の改正が進行していたが、1999年5月、モントリオールで開かれていたICAOの外交会議で、国際線の航空事故で航空会社が遺族らに支払う賠償金については限度額を設けないとする「モントリオール条約」(通称・新ワルソー条約)が採択された(2003年発効)。[池田文雄]

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