(読み)ハン

デジタル大辞泉 「般」の意味・読み・例文・類語

はん【般】[漢字項目]

常用漢字] [音]ハン(漢)
同類物事種類。「一般各般這般しゃはん諸般全般万般百般
ある局面。回。「過般今般先般
[名のり]かず・つら
難読般若はんにゃ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「般」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] ハン
[字訓] はこぶ・めぐる・たのしむ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
舟+殳(しゆ)。舟は盤の象形。殳は盤中のものを(く)む形とも、盤を撃つ形ともみられるが、(なん)・磬(けい)などの字から考えると、盤を撃って般楽(はんがく)する(楽しむ)意であろう。〔説文〕八下に「辟(さ)くるなり。舟の旋(めぐ)るに象る。舟に從ひ、殳に從ふ。殳は舟をして旋らしむるなり」(段注本)という。舟は盤の形で、盤で運ぶことを運搬、そのように身をめぐらすことを般旋、盤を鼓楽して遊ぶことを般楽という。卜文の字形に、祝詞の器である(さい)の形を加えているものがあり、祭事に用いた。〔段注〕に殳を「を刺す以(ゆゑん)のを謂ふなり」と舟楫を操る義とするのは、〔伝〕に「殳は(かじ)の屬なり」というのによる。〔書〕の盤庚(ばんこう)を卜文に般庚に作り、般が盤の初文であることが知られる。

[訓義]
1. はこぶ、めぐる、うつす。
2. たのしむ、鼓楽してたのしむ、たちもとおる。
3. 班と通じ、わかつ、つらなる。
4. 斑と通じ、わかつ、みだれる、まだら。
5. (はん)・畔と通じ、つつみ。
6. たび、このたび。

[古辞書の訓]
名義抄〕般 サカユ・ツラナル・イタル・オホフネ・タビ・オホフ・タノシビ

[声系]
〔説文〕に般声として・槃(盤)・瘢・など十字を収める。(はん)は帯でめぐらす、(はん)は覆う意。槃(はん)は盤、瘢(はん)は盤形の瘡痕。みな般の声義を承ける字である。磐(ばん)は〔説文〕未収、盤の字形に似ているのでいう。

[熟語]
般逸般紆般革・般還般桓般鼓般載般師・般賜・般爵・般渉・般旋・般担・般馬・般剝・般・般般・般辟・般遊・般楽
[下接語]
一般・過般・各般・幾般・今般・般・諸般・数般・千般・先般・全般・多般・万般・百般・両般

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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