(読み)カン

デジタル大辞泉 「艱」の意味・読み・例文・類語

かん【艱】[漢字項目]

[音]カン(漢)
難しくて動きがとれないこと。難儀。「艱苦艱難時艱

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「艱」の読み・字形・画数・意味


17画

(異体字)
23画

[字音] カン
[字訓] くるしい・なやむ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は艮(こん)。艮は目と後ろ向きの人の形に従い、邪眼にって恐れて進みえない形。(かん)はひでりのとき、祝告を奉ずる巫女を焚殺する形。いずれも非常の困難になやむ意。〔説文〕十三下に「土、治めきなり」と墾辟の困難をいう字とするが、飢饉を示す字である。〔説文〕に籀文(ちゆうぶん)としてを録する。卜辞に「今夕、來(らいかん)(な)きか」というものがあり、「來」とは「來(らいこ)」というのと近く、外寇をいう。・喜は鼓、軍鼓の象に従い、軍事をいう。饉による苦難を艱という。

[訓義]
1. くるしい、くるしむ、なやむ。
2. かたい、しにくい、なんぎ。
3. けわしい。
4. 親の喪、かなしい。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕艱 カタシ・カタムス・ナヤム・ナヤマシ 〔立〕艱 カタシ・ナヤマシ・タシミ・タシナム・ハバカル・タヅヌ

[語系]
艱()ken、墾khnは声近く、〔段注〕に艱を墾の初文とし、徐の〔段注箋〕に、〔書、益稷〕の「艱」を例として艱を墾の義とする。〔釈文〕に「馬(融)本根に作りて曰く、根生のとは百を謂ふ。(玄)曰く、禹復(ま)た稷と、民に澤物ふ」とみえる。根knも声の近い字である。

[熟語]
艱易艱禍・艱艱礙艱患・艱関艱疚・艱急艱棘艱窘艱窶艱虞・艱険艱蹇艱困艱疾艱渋・艱辛・艱深艱阻・艱地艱屯・艱貞・艱毒・艱難・艱否・艱歩艱乏・艱
[下接語]
家艱・銜艱・曲艱・苦艱険艱・後艱・克艱・事艱・時艱・処艱・心艱・辛艱・深艱・勢艱・拙艱・阻艱・丁艱・図艱・塗艱・投艱・内艱・難艱


23画

(異体字)艱
17画

[字音] カン
[字訓] くるしい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(かん)。は飢饉。その苦しみをいう。〔説文〕十三下に艱の籀文(ちゆうぶん)としてを録している。〔周礼、地官、郷師〕に「時を以て國び野をりて、民の阨を(た)す」、〔周礼、地官、遺人〕に「以て民の阨を恤(すく)ふ」と、〔周礼〕にはの字を用いる。くるしみ、なやみ。

[訓義]
1. ききんのくるしみ。
2. くるしみ、なやみ。*語彙は艱字条参照。

[熟語]

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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