菅楯彦(読み)すがたてひこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「菅楯彦」の意味・わかりやすい解説

菅楯彦
すがたてひこ
(1878―1963)

日本画家。鳥取県生まれ。塩川文麟(ぶんりん)門下の父に日本画を学ぶ。のち一家は大阪に移ったが13歳で父を失い、以後は貧窮に悩みながら独学で画業を進めた。また早くから歴史に深く関心を寄せ、和漢の学や有職(ゆうそく)故実研究にも励んだ。画風写生を基にしながらきわめて独自のもので、歴史、郷土芸能や古今の民衆風俗を主題にした作品が多く、大阪に住んで無所属に終始した。1958年(昭和33)恩賜賞を受賞。代表作は『皇后冊立(さくりつ)』。谷崎潤一郎『聞書(ききがき)抄』、吉川英治『私本太平記』の挿絵がある。

原田 実]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「菅楯彦」の解説

菅楯彦 すが-たてひこ

1878-1963 明治-昭和時代の日本画家。
明治11年3月4日生まれ。独学で画をまなび,また有職(ゆうそく)故実を研究。歴史画や大阪の市井風俗をえがいた。昭和33年芸術院恩賜賞。37年大阪市名誉市民。昭和38年9月4日死去。85歳。鳥取県出身。本名は藤太郎。作品に「山市朝雨」「春秋難波人」など。

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