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歴史画 れきしが historical painting

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

歴史画
れきしが
historical painting

歴史的事件を主題とした絵画。ときには神話や伝説に取材したものも含む。また作者と同時代の事件を描写したものをさすこともある。古い作例としてローマ時代に描かれたアレクサンドロスモザイク (ポンペイ出土,ナポリ国立考古学博物館) があるが,ルネサンスから 19世紀前半に史実に忠実な歴史画が盛んに制作された。

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デジタル大辞泉の解説

れきし‐が〔‐グワ〕【歴史画】

歴史上の出来事を題材とした絵画。広義には伝説上・神話上の事件を描いたものも含む。

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世界大百科事典 第2版の解説

れきしが【歴史画 historical painting】

絵画の一分野で,一般に,歴史上の事件や特定人物の営為を題材としたものをさすが,伝説に取材した絵画を含めていうこともある。元来歴史画は,権力者や支配体制が現実のできごとを美化する意図を強くもった場合に生まれるものである。主題は,古代には,戦勝を誇示するための戦闘場面がもっとも多かった。古代エジプトでは,第19王朝のセティ1世,ラメセス2世神殿の壁画に戦闘の光景が描写されている。ギリシアでは,ポリュグノトスがアテナイのストア・ポイキレに描いた〈マラトンの戦〉(前5世紀)や,エレトリアフィロクセノスPhiloxenos(生没年不詳)による〈アレクサンドロス大王の戦〉(前300ころ。

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大辞林 第三版の解説

れきしが【歴史画】

神話・伝説を含めた歴史上の出来事を題材として描いた絵画。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

歴史画
れきしが
historical painting英語
peinture d'histoireフランス語
Historienmalereiドイツ語

歴史上のできごと、あるいは物語に題材をとった絵画。また、作者と同時代の事件を扱った事件画といわれるものも含まれる。17世紀から19世紀にかけての西欧絵画のアカデミズムにおいては、神話画・宗教画とともに、歴史画は絵画の諸部門のなかでもっとも高貴な「偉大な部門」(グラン・ジャンル)と考えられ、肖像画、風俗画、静物画、風景画の上に位するものとされた。プサンたちはその意味でも偉大な画家とされたのである。
 現実の歴史を題材とする絵画、彫刻は、古代世界以来多くの類例をもち、たとえばアッシリアの王たちは、彼らの征服の事績をフリーズ浮彫りとして宮殿の壁面を飾ったし、エジプトの王たちも戦闘の情景を描かせている。ギリシアでは、原作は失われたが、ローマのモザイクによる模作の残る『アレクサンドロス大王の戦闘』などがあげられる。しかし、こうした古代の歴史画が王たちの自己顕彰と記録という性格を帯びているのに対して、ルネサンス期以降には、芸術家の創造力、発想を刺激する題材として歴史画、物語画は好まれるようになる。17世紀はこの傾向がもっとも顕著な時代で、一方には『ブレダの開城』(ベラスケス)のような現実の事件を描く画家もいたが、フランス・アカデミーの古典主義は、古典としての歴史にあらゆる美徳をみいだそうとし、あるいは古代の物語そのものを規範とする姿勢で歴史画を求める。『アルカディアの牧人』(プサン)や『フォキオンの埋葬』を描くプサンがその典型である。
 このアカデミズムの姿勢は19世紀まで続き、『ナポレオンの戴冠(たいかん)』(フランス美術)のダビッドをはじめとする歴史画が生まれる。しかし、ロマン主義の台頭は、歴史の対象を古典古代から中世に、さらにオリエントへと変える。ドラクロワの『サルダナパールの死』などである。同時に、ナポレオンの戦いやギリシア独立戦争などの現実の事件を描写した戦争画なども行われる。ロマン主義の烽火(のろし)となったジェリコーの『メデューズ号の筏(いかだ)』(ジェリコー)も現実の事件を描いた作品であるが、しかし、ここにはアカデミーの歴史画の理念である高貴・偉大はまったくない。こうして、やがて日常性を描くレアリスム、印象主義の登場とともにしだいに歴史画が近代絵画に占める役割は縮小し、世紀末の象徴主義や、民族的自覚によって描くロシアのレーピンたちの例を除けば、このジャンルはまったく顧みられなくなる。
 日本でも明治になって、とくに日本画において、日本、中国、インドなどの歴史や故事を題材に多数描かれるようになった。そしてその流れは、大和(やまと)絵新興運動の松岡映丘(えいきゅう)や小堀鞆音(ともと)ら、院展系の安田靫彦(ゆきひこ)や前田青邨(せいそん)らに引き継がれて力作を生んだが、第二次世界大戦後はしだいに衰退の傾向にある。[中山公男]

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世界大百科事典内の歴史画の言及

【絵画】より

…また木版画,銅版画,石版画などの版画,あるいはその応用としての挿絵,ポスターなども,色と形による平面の造形芸術であるかぎり,絵画の一分野と考えられる。絵画の分類としては,画材,形式による分類のほか,主題による分類(歴史画肖像画,風景画静物画風俗画等),社会的機能や役割による分類(宗教画,装飾画,記録画,教訓画等),地理的分類(イタリア絵画,フランス絵画,インド絵画等),歴史的流派や様式による分類(ゴシック絵画,バロック絵画,古典主義絵画,抽象絵画等)などがある。
[絵画の起源]
 古代ギリシアのある伝説は,絵画の起源を次のように語っている。…

【前田青邨】より

…02年17歳で第12回日本絵画共進会展に《金子家忠》を出品,3等褒状を受け,半古から青邨の号をもらう。その後今村紫紅,安田靫彦らの紅児会に加わり,新しい歴史画の研究に進み,12年,岡倉天心の示唆をうけて制作した《御輿振(みこしふり)》(絵巻)を第6回文展に出品,3等賞を受け画名を知られるようになった。14年再興日本美術院に参加し,その第1回院展に《竹取物語》(絵巻)と《湯治場》を出品,会期中に同人に推挙された。…

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