菱コバルト鉱(読み)りょうコバルトこう(その他表記)sphaerocobaltite

最新 地学事典 「菱コバルト鉱」の解説

りょうコバルトこう
菱コバルト鉱

sphaerocobaltite

化学組成CoCO3鉱物三方晶系,空間群, 格子定数a0.4659nm, c1.4957, 単位格子中6分子含む。自形結晶はきわめてまれ,多くは球状・皮殻状で,内部は放射状の集合。ばら赤色,分解すると灰褐から黒色,透明~半透明条痕赤色,ガラス光沢劈開}に完全。硬度4,比重4.13。薄片では淡紫赤~淡ばら赤色,屈折率ω1.855, ε1.601, 一軸性負。Coの位置は,Ca, Mg, Mn, Fe, Ni, Zn, Cdと置換して同構造の方解石グループを形成。合成では菱ニッケル鉱とは完全な固溶体をつくるが,天然ではまれ。コバルトカルサイト(cobaltocalcite)というのも同じ鉱物だが,ばら赤色の含コバルト方解石(cobaltian calcite)と紛らわしいので現在ではこの名前は使用しない。主に含コバルト鉱物を伴う鉱床の酸化帯に,コバルト華などとともに産する。日本では兵庫県朝来市生野町生野鉱山などから産出したことがある。sphaerocobaltiteの名称は,球状の外形を示すことが多いので,化学成分とギリシア語の「球」を合わせて命名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「菱コバルト鉱」の意味・わかりやすい解説

菱コバルト鉱
りょうこばるとこう
sphaerocobaltite

炭酸第一コバルトの鉱物。方解石系。自形は方解石同様、菱面体あるいはこれを基調とする立体。微細結晶が球状集合をなすことも多く、また皮膜をなす。コバルトを主成分とする硫化物を含む鉱床の酸化帯に産する。鉱床の種類は中~深熱水鉱脈型、接触交代鉱床正マグマ鉱床など。日本では兵庫県朝来(あさご)市生野(いくの)鉱山閉山)から知られた。この場合の初生鉱物は含コバルト硫砒鉄鉱である。

 共存鉱物はコバルト華、方解石、含コバルト苦灰石(くかいせき)など。同定はコバルト華に似るが、劈開(へきかい)面上の光沢が弱く、硬度がいくらか高い。ただし皮膜状になると識別しがたい。命名は球顆(きゅうか)状を呈する外観と成分元素コバルトによる。

加藤 昭]


菱コバルト鉱(データノート)
りょうこばるとこうでーたのーと

菱コバルト鉱
 英名    sphaerocobaltite
 化学式   Co[CO3]
 少量成分  Ca,Ni,Mg,Fe
 結晶系   三方
 硬度    4
 比重    4.21
 色     深紅,灰赤,淡紅
 光沢    ガラス
 条痕    淡紅
 劈開    三方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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