コバルト華(読み)コバルトカ(その他表記)erythrite

精選版 日本国語大辞典 「コバルト華」の意味・読み・例文・類語

コバルト‐か‥クヮ【コバルト華】

  1. 〘 名詞 〙 コバルトの鉱物。組成 Co3(AsO4)2・8H2O 透明または半透明で、深紅色、桃色、灰白色などのガラス光沢を有する単斜晶系の結晶。輝コバルト鉱風化、分解したもので、鉱石割れ目などに薄膜状、粉末状となって産出する。〔鉱物字彙(1890)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コバルト華」の意味・わかりやすい解説

コバルト華
こばるとか
erythrite

コバルト(Co)の含水ヒ酸塩鉱物。輝コバルト鉱のようなコバルトの硫砒(りゅうひ)化物あるいは砒化物の酸化分解によって生成される二次鉱物。多量に産すればコバルトの鉱石鉱物となる。日本では山口県美東(みとう)町(現、美祢(みね)市美東町)長登(ながのぼり)鉱山閉山)、兵庫県生野(いくの)鉱山(閉山)などから産出した。自形は平行四辺形の輪郭をもった板状。通常は微細な針状あるいは粉末ないし皮膜状。独特の紅色調が特徴である。加熱するとコバルトブルーの粉末になる。酸に溶ける。なお含コバルト硫砒鉄鉱の分解によっても生成される。英名ギリシア語で紅色を意味するerythrosにちなむ。

加藤 昭 2016年9月16日]



コバルト華(データノート)
こばるとかでーたのーと

コバルト華
 英名    erythrite
 化学式   Co3[AsO4]2・8H2O
 少量成分  Ni,Mg,Fe,Ca,Zn
 結晶系   単斜
 硬度    1.5~2.5
 比重    3.14
 色     深紫紅,桃
 光沢    ガラス
 条痕    淡紅
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

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最新 地学事典 「コバルト華」の解説

コバルトか
コバルト華

erythrite

化学組成(Co, Ni)3(AsO42・8H2Oの鉱物。単斜晶系,空間群C2/m, 格子定数a1.020nm, b1.348, c0.471, β105.0°,単位格子中2分子含む。針状結晶の放射集合体,球状,腎臓状,土状皮殻等をなす。劈開{010}顕著,硬度1.5~2.5,比重2.95。ガラス~真珠光沢,緋~桃赤色。屈折率・方位α1.626, X=b;β1.662, γ1.699, Z∧c+31°, 二軸性,2V大,光分散r>υ, 多色性著しくX淡桃,Y淡紫,Z紅。CoはNiと完全連続置換系列をつくり,Ni>Coの種をニッケル華と呼ぶほか,Ca, Fe2, Mgなどの同型置換に伴う変種も存在する。二次鉱物として,輝コバルト鉱・スマルト鉱などを含む鉱床の酸化帯に生成する。名称はギリシア語のerythros(紅色)にちなむ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コバルト華」の意味・わかりやすい解説

コバルト華
コバルトか
erythrite

(Co,Ni)3(AsO4)2・8H2O 。コバルトの鉱物。単斜晶系。柱状,粉状,粒状,皮殻状など。劈開{010}に完全。硬度 1.5~2.5,比重 2.948。紅色,紅灰白色,ガラス光沢,透明ないし半透明。コバルト鉱石の2次鉱物として産する。

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世界大百科事典(旧版)内のコバルト華の言及

【コバルト鉱物】より

…日本でも接触交代鉱床など比較的高温で生成した鉱床中に認められる。それらの鉱床の酸化帯にはしばしば紅色のコバルト華erythrite Co3(AsO4)2・8H2Oを産する。四国のキースラーガーの佐々連(さざれ)・白滝両鉱床から,局部的に顕微鏡的な大きさのカロライトを産する。…

※「コバルト華」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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