菱ニッケル鉱(読み)りょうニッケルこう(その他表記)gaspéite

最新 地学事典 「菱ニッケル鉱」の解説

りょうニッケルこう
菱ニッケル鉱

gaspéite

化学組成NiCO3鉱物ガスペアイトとも。三方晶系,空間群, 格子定数a0.4609nm, c1.4737,単位格子中6分子含む。微細な菱面体結晶,土状,皮殻状で,内部は放射状の集合。緑色(コバルトに富むものは淡肌色),半透明条痕黄緑色,ガラス~土状光沢劈開}に良好。硬度4.5~5,比重3.70~3.75。薄片では無色,屈折率ω1.83, ε1.61, 一軸性負。Niの位置は,Ca, Mg, Mn, Fe, Co, Zn, Cdと置換して同構造の方解石グループを形成。合成では菱コバルト鉱マグネサイトとは完全な固溶体。カナダ,ケベック州Gaspé島の珪質苦灰岩中に産するほか,ニッケル硫化物鉱床の酸化帯に産出。日本では愛知県新城市中宇利鉱山のニッケル,コバルト硫化物を含む蛇紋岩の割れ目にコバルトに富むものが少量産する。名称は原産地に由来。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「菱ニッケル鉱」の意味・わかりやすい解説

菱ニッケル鉱
りょうにっけるこう
gaspéite

方解石のニッケル置換体。方解石系鉱物の一員。菱苦土鉱(マグネサイト)や菱鉄鉱との間で広範囲に固溶体を形成する。自形は菱面体の微細なものが知られている。超塩基性岩に伴われるニッケル硫化物を含む正マグマ性鉱床中に発達する炭酸塩脈中に産し、また再結晶苦灰岩中の含ニッケル硫化物脈の一部にも産する。また地上で風化した隕石(いんせき)中に発達する細脈からも発見されている。日本では愛知県新城(しんしろ)市中宇利鉱山(なかうりこうざん)(閉山)の正マグマ鉱床のニッケル・コバルト硫化物の二次鉱物として含Co変種を産した。

 共存鉱物は中宇利鉱山では、マクギネス石mcguinnessite(化学式(Mg,Cu)2[(OH)2|CO3])、ニッケルくじゃく石glaukosphaerite((Cu,Ni)2[(OH)2|CO3])、蛇紋石、ジャムボー石jamborite((Ni2+,Ni3+,Fe)(OH)2(OH,S,H2O))、ヒーズルウッド鉱、コバルトペントランド鉱cobaltpentlandite(CoCo8S8)など。同定はやや黄色味をもつ緑色、あるいはやや青味をもつ緑色の集合。他の鉱物を交えない塊状のものは、方解石系としては最高の硬度4.5~5をもつ。中宇利鉱山のものはCoO含量が高く、この影響で本鉱としては例外的に淡紅色を呈する。英名は原産地カナダ、ケベック州ガスペGaspé半島にちなむ。

[加藤 昭]


菱ニッケル鉱(データノート)
りょうにっけるこうでーたのーと

菱ニッケル鉱
 英名    gaspéite
 化学式   Ni[CO3]
 少量成分  Fe, Mg, Ca, Co
 結晶系   三方
 硬度    4
 比重    3.75
 色     淡黄緑、帯青緑、草緑、オリーブ緑
 光沢    ガラス。細粒のものは土状
 条痕    淡黄緑
 劈開    三方向に良好
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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