葛巻(読み)クズマキ

デジタル大辞泉 「葛巻」の意味・読み・例文・類語

くず‐まき【葛巻(き)】

葛のつるの巻きついたようす。また、そのような形。
葛練りをかけて巻いた菓子料理

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精選版 日本国語大辞典 「葛巻」の意味・読み・例文・類語

くず‐まき【葛巻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 葛のつるがもつれて巻きついていること。また、葛の葉の先が巻き込んでいるもの。
    1. [初出の実例]「すがる伏す木ぐれが下のくずまきを吹裏がへす秋の初風」(出典:山家集(12C後)中)
  3. 葛練(くずねり)をかけて巻いた菓子、または料理。

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改訂新版 世界大百科事典 「葛巻」の意味・わかりやすい解説

葛巻[町] (くずまき)

岩手県北部,岩手郡の町。人口7034(2010)。中央を北西流する馬淵(まべち)川沿いにわずかな低地があるほかは,東部の遠別岳(1235m),平庭岳(1060m)などを最高所とする標高400~800mの北上高地の山々に占められる。江戸時代は盛岡八戸を結ぶ街道の要路にあり,また奥州街道の沼宮内(ぬまくない)と沿岸部の久慈を結ぶ街道(現,国道281号線)の宿場町として栄えた。主産業は農林業古くから優良牛の産地として知られ,1927年製酪工場ができてから酪農地帯に発展した。ほかに山菜,シイタケなどの特産がある。江刈地区では封建的な名子制度が残存していたが,第2次世界大戦後の農地改革で消滅した。平庭岳一帯は久慈平庭県立自然公園に含まれ,ツツジシラカバの名所となっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「葛巻」の意味・わかりやすい解説

葛巻(町)
くずまき

岩手県北部、岩手郡にある町。馬淵(まべち)川上流の北上高地に位置する。1940年(昭和15)町制施行。1955年(昭和30)江刈(えかり)、田部(たべ)の2村と合併。江戸時代は八戸(はちのへ)藩領で盛岡から八戸への交通の要路にあたり、宿場町として発展した。現在も国道281号と340号が交差する。町域の大部分森林で占められ、産業は林業と酪農を基盤とする。守山乳業製酪工場が立地し県酪農の先進地区の一つとなった。近年は北上山系大規模産業開発事業が進められ、草地造成や粗飼料生産が行われている。県立自然公園の平庭(ひらにわ)高原は、シラカバとツツジが多く、内陸部には珍しいハマナスの群生地もある。面積434.96平方キロメートル、人口5634(2020)。

[川本忠平]


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百科事典マイペディア 「葛巻」の意味・わかりやすい解説

葛巻[町]【くずまき】

岩手県北部,北上高地北部の岩手郡の町。馬淵(まべち)川上流の山間地で,木材の産が多い。乳牛の飼育など酪農が盛ん。平庭(ひらにわ)高原はシラカバ,ツツジ,ハマナスの美観で有名。434.96km2。7304人(2010)。

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