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蒸発缶 じょうはつかん

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百科事典マイペディアの解説

蒸発缶【じょうはつかん】

蒸発による溶液の濃縮,また海水の淡水化などを行う装置。燃焼ガスや水蒸気を熱源とし,形式的には外部加熱式,内部加熱式に分かれ,蒸発缶を多段化した多重効用缶がある。
→関連項目熱交換器

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世界大百科事典 第2版の解説

じょうはつかん【蒸発缶 evaporator】

化学プロセスにおける蒸発を行う装置。その基本的な形式を図1に示す。熱源としてはスチームのほかに燃焼ガスや伝熱媒体が用いられる。原料が供給されると,これが熱を受けて沸騰し溶媒(水)が蒸発して缶の頂部から排出される。発生蒸気の排出を容易にして安定な操作を行い,かつ伝熱を促進させるために図に示したように缶内で液が循環するようにくふうすることが多い。缶内には適量の液が存在するが,下部の液ほど圧力を受けることになるので沸騰温度が高くなる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蒸発缶
じょうはつかん
evaporator

溶液から溶媒(工業的には水溶液を取り扱う場合が多い。したがって多くは水)を蒸発させ、濃縮や晶出を行い、あるいは溶媒を回収する装置をいう(水を加熱蒸発させ高圧高温の水蒸気を得るためのボイラーとは区別して取り扱われている)。加熱するための外套(がいとう)、蛇管(じゃかん)あるいは管群をもち、高温の水蒸気または熱媒が熱源として用いられる。溶液は加熱沸騰しながら、自然対流またはポンプによって加熱部を通り、液面または缶内上部空間で蒸気を分離し、缶内を循環する。
 一つの缶から発生した蒸気を別の缶の熱源として使用すれば、省エネルギー上有利である。この型式の蒸発缶を多重効用缶とよび、工業的には六重効用缶ぐらいまでのものが多く使用されている。溶液の沸点はその濃度とともに上昇するから、前段からの水蒸気の凝縮温度とその段の液の沸点との差を数度以上に保ち、沸騰を続けさせるために一般に下段ほど圧力を下げて操作する必要があり、減圧下で操作されていることが多い。海水の淡水化、食塩の製造、電解カ性ソーダ液の濃縮などが多重効用缶による操作の代表的な例である。
 溶液の沸点は圧力の低下とともに低下するから、多重効用缶のみならず単一の蒸発缶でも減圧下で操作されることは多く、真空蒸発缶とよばれている。[河村祐治]

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