蒼鉛タンタル石(読み)そうえんたんたるせき(その他表記)bismutotantalite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蒼鉛タンタル石」の意味・わかりやすい解説

蒼鉛タンタル石
そうえんたんたるせき
bismutotantalite

蒼鉛ビスマス)およびタンタルを主成分とする複酸化鉱物の一つ。安タンタル石‐セルバンテス石鉱物の一つ。セルバンテス石は本鉱のアンチモン(Sb)置換体にあたる。系内では本鉱との間に広い幅で固溶系が存在する。自形は短柱状であるが、多く塊状。その形態を記述するのに、鉱物記載には珍しくmisshapen(でき損ない)という形容詞を用いている参考書もある。花崗(かこう)岩質ペグマタイトに産し、日本では福岡県福岡市長垂(ながたれ)のリチウムペグマタイト中から鱗雲母(りんうんも)の集合中に埋没して産する。共存鉱物はほかに石英曹長石微斜長石白雲母、緑柱石、錫石(すずいし)、鉄電気石などがある。

 同定は非常に大きい比重による。日本のものは灰色であったが、淡褐、淡灰から暗灰色のものまでさまざまである。条痕(じょうこん)もほぼ同色。少しでも透明な部分があれば金剛光沢を呈し、これが不透明になると亜金属光沢の方向に推移する。顕著ではないが劈開(へきかい)や、裂開がいろいろな方向にあるため、川砂の中から回収されたものの表面を見ると、結晶面とは思えないさまざまな方向の平面が発達していることがある。命名はその化学組成に由来する。

加藤 昭 2017年8月21日]


蒼鉛タンタル石(データノート)
そうえんたんたるせきでーたのーと

蒼鉛タンタル石
 英名    bismutotantalite
 化学式   BiTaO4
 少量成分  Nb,Sb,Fe,Mn
 結晶系   斜方(直方
 硬度    5~5.5
 比重    8.98
 色     黄褐、淡~暗灰
 光沢    金剛~亜金属
 条痕    黄褐、灰、暗灰
 劈開    裂開の可能性もあるものを含めると、少なくとも三方向は存在する
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

最新 地学事典 「蒼鉛タンタル石」の解説

そうえんタンタルせき
蒼鉛タンタル石

bismutotantalite

化学組成Bi(Ta, Nb)O4の鉱物。直方晶系,空間群Pbn21,合成物(BiTaO4)の格子定数a0.4957nm, b1.1763, c0.5633, 単位格子中4分子含む。太い柱状結晶,粒状,礫状。明褐~黒色,半透明~不透明,金剛~亜金属光沢。劈開{010}に完全。硬度5,比重8.5~8.9。薄片では黄褐~暗褐~ほぼ不透明,屈折率α2.388, β2.403, γ2.428, 2V(+)80°。BiをSbで置換したものがスティビオタンタライトで,ウガンダなどのペグマタイト中に錫石・電気石・白雲母などに伴う。砂礫中にもみられる。日本では福岡市長垂のリチウムペグマタイト中から産出。

執筆者:

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...

春隣の用語解説を読む