微斜長石(読み)びしゃちょうせき(その他表記)microcline

最新 地学事典 「微斜長石」の解説

びしゃちょうせき
微斜長石

microcline

KAlSi3O8-NaAlSi3O8-CaAl2Si2O8系低温系列固溶体(中間型〜低温型微斜長石-低温型アルバイト)でのKAlSi3O8成分に富むアルカリ長石花崗岩類・ペグマタイト片麻岩中ほかに広範に産する。堆積岩中の自生微斜長石なども報告。中間準安定相の正長石を介して,高温安定相のサニディンとのAl-Si秩序度に支配される多形関係にある。一般的に2相に分離(離溶)したパーサイト組織を示す。この場合,正長石と同様に結晶全体をパーサイトと呼ぶ。顕微鏡下では格子状双晶(アルバイト双晶+ペリクリン双晶)の発達が普通。カールスバド双晶・パベノ双晶・マネバッハ双晶もみられる。三斜晶系,空間群P1(格子定数を他の長石種に合わせる場合),格子定数a0.859nm,b1.297,c0.722,α90.6°,β115.95°,γ87.7°(低温型微斜長石),壁開{001}完全,{010}良好,硬度6-6.5,比重2.56-2.63。二軸性,光軸角2Vx 66-103°,屈折率α1.514(〜1.529),β1.518(〜1.533),γ1.521(〜1.539)。ギリシア語のmikros(small)とklinein(incline)に由来

執筆者:

参照項目アルカリ長石
参照項目:正長石
参照項目:サニディン

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「微斜長石」の意味・わかりやすい解説

微斜長石
びしゃちょうせき
microcline

カリ長石一種で、三斜晶系に属する鉱物。正長石との肉眼的識別は不可能である。また、正長石は微斜長石のきわめて単斜相に近いものと考えて両者を別種扱いにしないこともある。すなわち、カリ長石のうち、単斜相は玻璃長石(はりちょうせき)、三斜相は微斜長石とするわけである。したがって微斜長石には完全な三斜相からきわめて単斜相に近いものまで存在する。柱状ないし短柱状結晶のほか塊状をなす。ほとんどつねに双晶をしている。花崗(かこう)岩、閃長(せんちょう)岩などの深成岩およびそれらのペグマタイト中にきわめて普通に産する。また、片麻(へんま)岩などの変成岩中にもよくみられる。スカルン中に灰鉄輝石や灰礬(かいばん)ざくろ石などと産する。青緑色を帯びたいわゆる天河石(てんがせき)(アマゾナイト)は微斜長石のことが多い。二方向の劈開(へきかい)のなす角が90度より少しずれるので、英名は、少し傾いているという意味のギリシア語に由来する。

[松原 聰]



微斜長石(データノート)
びしゃちょうせきでーたのーと

微斜長石
 英名    microcline
 化学式   KAlSi3O8
 少量成分  Na
 結晶系   三斜
 硬度    6~6.5
 比重    2.6
 色     白,帯黄白,帯桃白
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    二方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「微斜長石」の意味・わかりやすい解説

微斜長石
びしゃちょうせき
microcline

アルカリ長石の一種。 (K,Na)AlSi3O8 。三斜晶系,双晶が組合わさって一つの結晶をつくるので,偏光顕微鏡下では格子縞に見える。比重 2,56~2.63 ,硬度 6~6.5 。花崗岩,片麻岩の主成分鉱物。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...

春隣の用語解説を読む