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藤原隆能 ふじわらのたかよし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

藤原隆能
ふじわらのたかよし

平安時代後期,12世紀中頃の宮廷画家久安3 (1147) 年,関白藤原忠実の 70歳の賀のときの蒔絵硯箱下図を描き,仁平4 (54) 年,鳥羽金剛心院扉絵制作で正五位下を受け,翌年三河守に任じられた。また後白河院の命で鳥羽院遺影を描くなど広い作画活動が知られる。江戸時代以後『源氏物語絵巻』の作者とされたが,なんら根拠がない。

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デジタル大辞泉の解説

ふじわら‐の‐たかよし〔ふぢはら‐〕【藤原隆能】

平安後期の宮廷画家。鳥羽金剛心院の扉絵や鳥羽上皇肖像、蒔絵(まきえ)の下図など幅広く活躍。「源氏物語絵巻」の作者と伝えられる。生没年未詳。

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百科事典マイペディアの解説

藤原隆能【ふじわらのたかよし】

平安時代後期の代表的大和絵画家。伝記は不詳であるが,1154年鳥羽金剛心院の扉絵(とびらえ)を描いたこと,1174年天王寺に故隆能作の鳥羽天皇御影があったことなどの記録があり,廷臣であったと推測される。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

藤原隆能 ふじわらの-たかよし

?-? 平安時代後期の画家。
久安3年(1147)藤原忠実(ただざね)の七十賀の蒔絵硯箱(まきえすずりばこ)の絵様をえがく。ほかに鳥羽(とば)金剛心院の扉絵,鳥羽上皇の肖像画などをえがき,承安(じょうあん)4年(1174)以前に没したことが知られている。江戸時代より「源氏物語絵巻」の作者とされてきたが可能性はすくない。

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朝日日本歴史人物事典の解説

藤原隆能

生年:生没年不詳
平安後期の宮廷絵師。久安3(1147)年,藤原忠実七十賀の蒔絵硯箱の絵様を描く。久寿1(1154)年,京都金剛心院の扉絵の賞として正五位下,翌2年三河守になる。承安4(1174)年には没していたことが知られる。作品は現存しない。

(長谷川稔子)

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世界大百科事典 第2版の解説

ふじわらのたかよし【藤原隆能】

平安後期,12世紀中ごろに活躍した宮廷画家。生没年不詳。蔵人正五位下で1155年(久寿2)には三河守に任ぜられた中級貴族。現存作例はないが,画技をよくしたことが《台記》《兵範記》などに記されている。久安3年(1147)藤原忠実の70歳の賀の蒔絵硯箱の絵様を図し(《台記》),仁平4年(1154)8月には鳥羽金剛心院阿弥陀堂扉絵に《九品来迎図》を描いて賞せられた(《兵範記》)。また後白河上皇の命により鳥羽上皇の肖像画を制作するなど,専門画人として幅広い活動が知られている。

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大辞林 第三版の解説

ふじわらのたかよし【藤原隆能】

平安末期の宮廷画家。鳥羽金剛心院の扉絵を描いた。鳥羽上皇の肖像はその作とされる。また「源氏物語絵巻」の作者に擬せられている。生没年未詳。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

藤原隆能
ふじわらのたかよし

生没年未詳。平安後期の宮廷画家。1174年(承安4)以前に没したことが知られる。清隆(きよたか)の子。廷臣であったが画技に秀で、鳥羽(とば)院の御用を多く勤める。1154年(久寿1)、鳥羽金剛心院の扉絵を描いて、正五位下となり、翌55年に三河守(みかわのかみ)に任じられる。また当時、四天王寺にあった鳥羽院の肖像画は、後白河(ごしらかわ)院の命によって隆能が描いたもの。このほか蒔絵(まきえ)のデザインなども行っている。江戸時代より『源氏物語絵巻』(徳川本・五島(ごとう)本)の筆者と伝えられてきたが確証はない。[加藤悦子]

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世界大百科事典内の藤原隆能の言及

【源氏物語絵巻】より

…画面の緻密に計算された有機的構図が各場面の詩的な情趣を象徴的に表現するとともに,引目鉤鼻(ひきめかぎばな)と呼ばれる類型化した面貌描写も,実際には細緊な筆線を引き重ねることによって人物の微妙な心理を表出しえている。絵の作者は12世紀中期に活躍した宮廷画家藤原隆能(たかよし)と伝えられ,この絵巻も隆能源氏として親しまれてきた。しかし,詞書の書風が4~5種に分かれているように,画風も表現技法の点から,〈柏木〉から〈御法〉までの1巻を頂点として大きく4グループほどに分類され,おそらく12世紀前半,白河・鳥羽の院政期に優れた宮廷画家たちを中心に分担制作されたものと思われる。…

※「藤原隆能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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