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藤布 ふじぬの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

藤布
ふじぬの

フジ () の皮の繊維織物木綿が普及するまでの日本で,とともに広く用いられた。特に北陸で多く織られ,衣服のほか畳の縁や袋などに使われた。

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デジタル大辞泉の解説

ふじ‐ぬの〔ふぢ‐〕【藤布】

藤の(つる)の繊維で織った布。

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世界大百科事典 第2版の解説

ふじぬの【藤布】

フジ(藤)の皮の繊維から作った糸で織った布。木綿の伝わる中世末期までは植物性繊維として,アサ(麻)についで栲(たえ)などとともに庶民の間には広く行われていたと思われる。藤衣(ふじごろも)というのが公家(くげ)の服飾の中で喪服として用いられたが,これはもともと粗末なものを用いることをたてまえとする喪服が,庶民の衣服材料である麻布や藤布で作られたため,このように称したのであろう。近代には藤布はござの縁布として織られた。

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大辞林 第三版の解説

ふじぬの【藤布】

藤蔓ふじづるの繊維で織った布。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

藤布
ふじぬの

フジの皮の繊維をとり、紡績したのち製織した平織の織物。麻繊維が十分に得られない地方では、いろいろの雑繊維が古くから使われたが、とくに北陸から山陰地方にかけての地方とそれぞれの山間部で自家用として製織されてきた。用途は、着尺のほか、畳の縁(へり)、米袋などに使われる。現在ではほとんど絶えてしまったが、京都府宮津市下世屋(しもせや)に一部残されている。[角山幸洋]

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世界大百科事典内の藤布の言及

【フジ(藤)】より

…フジ類の植物体には配糖体のウィスタリンwistarinを含有し有毒であるが,少量で腹痛などの薬として利用されることがある。【大橋 広好】
[民俗]
 藤づるの繊維から作った藤布は原料が自給できるうえにきわめてじょうぶであったため,山村では長い間愛用されてきた。古く《古事記》にも,春山之霞壮夫(かすみおとこ)のために母親が一夜のうちに藤葛(ふじかずら)で衣服や弓矢を作ったことが見え,《万葉集》では〈荒妙(あらたえ)の藤〉と詠まれ,織目の粗い布を意味した。…

※「藤布」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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