虚白(読み)きょはく

精選版 日本国語大辞典 「虚白」の意味・読み・例文・類語

きょ‐はく【虚白】

〘名〙
① (「荘子‐人間生」の「虚室白」の略) むなしい部屋にこそ、日の光がくっきり浮きあがること。転じて、心をむなしくすれば、真理が明らかになること。また、そのようなまざり気のない心。〔江総‐借劉太常説文詩〕
② むなしいこと。
※詩序集(1133頃)月作詩家燈詩序〈大江佐国〉「交許忘年、慙慰虚白之恨」 〔庾信‐周柱国大将軍長孫倹神道碑〕
③ すきま。
俳諧新花摘(1784)「もとより妻戸さうじかたくいましめあれば、いささかの虚白だにあらねば、いづくより鑚(きり)入べき」

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普及版 字通 「虚白」の読み・字形・画数・意味

【虚白】きよはく

虚室白を生ず。虚室。また貧しい。北周信〔周中国大将軍長孫倹神道碑〕一室の中、未だ白なるをれず、日膳の三杯なるのみ。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「虚白」の解説

虚白 きょはく

1773-1847 江戸時代後期の僧,俳人
安永2年生まれ。京都の人。近江(おうみ)(滋賀県)土山常明寺の淡嶺について臨済(りんざい)禅をおさめ,法をつぐ。俳諧(はいかい)を高桑闌更(らんこう)にまなび,煨芋(わいう)軒をむすんで成田蒼虬(そうきゅう),桜井梅室らとまじわる。のち南禅寺,東福寺などの住持をつとめた。弘化(こうか)4年10月26日死去。75歳。僧名は松堂慧喬。別号に蔭涼軒
格言など】おほけなき床の錦や散り紅葉(辞世)

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