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蟻鼻銭 ぎびせんYi-bi-qian

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

蟻鼻銭
ぎびせん
Yi-bi-qian

中国古代にで用いられた青銅貨幣。鬼瞼銭あるいは鬼頭銭などの別名で呼ばれることもある。扁平で楕円形を呈し,上方に孔があり,表に刻文が認められ,蟻 (あり) の頭部に似るため蟻鼻銭の名がついた。刻文については,文字説と文様説があり,文字とする場合には,「有土之本」「各一朱」「当各六銭」などの解読説があるが定説はない。蟻鼻銭は,安徽省江蘇省,河南省南部などから出土し,その分布によって戦国末期の楚の貨幣と考えられている。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎびせん【蟻鼻銭 Yǐ bí qián】

中国の戦国時代に通行した銅貨。形がアリ(蟻)の顔を連想させることから,宋代から蟻鼻銭とよばれた。子安貝に似せた貝貨の発達したもので,銅貝とか鬼臉銭ともいう。平面形は楕円形ないしは卵形を呈し,表は弧面をなし1孔と文字を陰刻し,裏は平たんである。長さ2cm弱,厚さ約2mm,重さ3.5g程度であるが,大小は一定せず5gに達するものもある。表の文字は6種類に分けられ,その大多数が〈咒〉で,ほかに少数の〈各一朱〉〈君〉〈金〉〈行〉〈忻〉があるが字義不明。

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大辞林 第三版の解説

ぎびせん【蟻鼻銭】

中国、戦国時代の楚で使用された青銅貨幣。長さ約2センチメートル、長円形、表面はややふくらむ。蟻の顔に似ていたのでこの名がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蟻鼻銭
ぎびせん

中国、戦国時代に楚(そ)の領域で用いられた青銅貨幣の名称。その形が蟻(あり)の顔に似ているところから蟻鼻銭の名が出たといわれる。貝貨(ばいか)の発達変化したものといわれ、銅貨の名でよばれることもある。楕円(だえん)形を呈し、表面は小さく膨らんでおり、裏面は平らで、大きさは長さ約2センチメートル、厚さ約2ミリメートル、重さ2.5グラムほどである。「貝」の字らしい文字を表し、一端に小孔のあるものが多く、ほかに「朱」「君」「金」「行」「陶」などの文字を表したものもある。河南省南部、安徽(あんき)省、江蘇(こうそ)省からの出土が多い。[飯島武次]

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世界大百科事典内の蟻鼻銭の言及

【貨幣】より

…なお,方孔円銭と起源を異にする円孔円銭が布銭の流通圏でも造られ併用された。他方,南方の楚国の領内では初め貝貨の系統に属する銅貝が造られたが,戦国期には銅貝の一種,蟻鼻銭が鋳造され使用された。また楚では同じころ,金貨(金餅・金版)が造られ額面の大きな取引に用いられた。…

【タカラガイ(宝貝)】より

…殷代以降,戦国時代まで,タカラガイの実物のほか貝殻,骨角,石,土,銅などで模倣したものが多数つくられ,なかにはタカラガイの表面を金箔で包んだものもある。戦国時代の楚で通用した蟻鼻銭は貝貨の最終的なものとされている。また戦国末から後漢にかけて,雲南省一帯ではタカラガイ(子安貝)を貯蔵する特異な青銅製貯貝器(ちよばいき)が作られ,石寨山古墓などから発見されている。…

※「蟻鼻銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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