行田足袋(読み)ぎょうだたび

日本大百科全書(ニッポニカ) 「行田足袋」の意味・わかりやすい解説

行田足袋
ぎょうだたび

埼玉県行田市(1949年に忍(おし)町から改称一帯でつくられている足袋。この地帯で盛んであった木綿生産を基盤として、忍藩の保護のもとに江戸中期ごろより製作された。1882年(明治15)には、旧忍藩の藩士のため、政府の勧業資金を借りて、ガラ紡により足袋地をつくり生産の拡大を図ることになるが、まもなく中止してしまった。この地域では、大阪府堺(さかい)市の足袋会社のように大量生産にまで発展することなく、小規模の生産に終わった。第二次世界大戦以後は、多くが衣料生産に転換している。

[角山幸洋]

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「行田足袋」の解説

行田足袋[繊維・刺繍]
ぎょうだたび

関東地方、埼玉県の地域ブランド。
行田市・加須市羽生市鴻巣市で製作されている。行田足袋の起源奈良時代に遡り、1634(寛永11)年には領民内職として製造されたといわれる。旅行や作業用の足袋としてつくられた。明治時代になるとミシンの使用によって、足袋の生産量が増大した。現在では生活様式の変化から足袋を履く機会は減少傾向にあるが、結婚式・七五三成人式などの正装和服を着るときには足袋が欠かせない。埼玉県伝統的手工芸品。

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デジタル大辞泉プラス 「行田足袋」の解説

行田足袋

埼玉県行田市を中心に生産される足袋。同市周辺は木綿の産地中山道も近かったことから、足袋製造業が発達したと考えられている。

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