(読み)タモト

デジタル大辞泉 「袂」の意味・読み・例文・類語

た‐もと【×袂】

《「もと」の意から》
和服の袖付けから下の、袋のように垂れた部分
そば。きわ。「橋の
ふもと。すそ。「山の
肩からひじまでの部分。
娘子をとめらが娘子さびすと韓玉からたまを―にかし」〈・八〇四〉
[類語]振袖留袖

べい【袂】[漢字項目]

[音]ベイ(漢) [訓]たもと
衣服のそで。たもと。「袂別分袂連袂

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精選版 日本国語大辞典 「袂」の意味・読み・例文・類語

た‐もと【袂・手本】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「手(た)本」の意 )
  2. 手の肱(ひじ)から肩までの部分。二の腕。また、手首袖口のあたりとする説もある。
    1. [初出の実例]「我が袖は多毛登(タモト)通りて濡れぬとも恋忘貝とらずは行かじ」(出典万葉集(8C後)一五・三七一一)
  3. 着物の、袖口の下の袋のようになった部分。そで。
    1. [初出の実例]「秋の野の草のたもとか花すすき、ほにいでてまねく袖とみゆらん〈在原棟梁〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋上・二四三)
  4. かたわら。そば。ふもと。
    1. [初出の実例]「夏のよの月をみはしのたもとにてふいたる汗も風にひたたれ」(出典:狂歌・才蔵集(1787)三)
    2. 「此処は橋の袂である」(出典:其面影(1906)〈二葉亭四迷〉五一)

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普及版 字通 「袂」の読み・字形・画数・意味


9画

[字音] ベイ
[字訓] そで・たもと

[説文解字]

[字形] 会意
衣+夬(けつ)。夬は玉器の円環の一部を欠くもの、欠落のある意。袂は衣の袖口の形をいう。〔説文〕八上に「(しう)なり」とあり、夬声とするが、声が合わない。前条の字条に「袂なり」とあって互訓。袖は俗字である。

[訓義]
1. そで、たもと。
2. そでぐち。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕袂 曾(そで) 〔名義抄〕袂 ソデ・タモト

[熟語]
袂雲・袂縁袂圜・袂接
[下接語]
衣袂・雲袂・盈袂・掩袂・解袂・寒袂・揮袂・挙袂・裾袂・牽袂・執袂・純袂・裳袂・攘袂・振袂・仙袂・双袂・長袂・投袂・把袂・反袂・飛袂・被袂・風袂・覆袂・奮袂・分袂・捧袂袂・揚袂・羅袂・攬袂・流袂・連袂・斂袂

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