デジタル大辞泉 「被せる」の意味・読み・例文・類語 かぶ・せる【▽被せる】 [動サ下一][文]かぶ・す[サ下二]1 上から覆うように物を載せる。「帽子を―・せる」「布団を―・せる」2 全体に注ぎかける。「頭から水を―・せる」「種に土を―・せる」3 すでにある色や音などの上に、さらに他の物を加える。「映像にナレーションを―・せる」4 間まを置かないで、すぐ次の言葉を言う。「―・せて言う」5 人に罪や責任などを負わせる。着せる。「人に罪を―・せる」[類語]覆う・掛ける・おっかぶせる・包む・くるむ・くるめる・覆いかぶせる・被覆する・包装する・パックする 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「被せる」の意味・読み・例文・類語 かぶ・せる【被】 〘 他動詞 サ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]かぶ・す 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙① 上からおおう。かぶらせる。[初出の実例]「草などをすきのけそのあとに石をかぶせておいたやうにみえたぞ」(出典:玉塵抄(1563)一九)② 水や粉などを上から浴びせかける。[初出の実例]「数百行の茎を植ゑたり、猶ほ犁(くは)取りて畦(うね)の土すら被(カブ)せたり」(出典:帰省(1890)〈宮崎湖処子〉三)③ 歌舞伎で、一つの鳴り物の上に外の鳴り物を加える。[初出の実例]「音楽に琴唄をかぶせ」(出典:歌舞伎・高麗大和皇白浪(1809)大詰)④ ある言葉の上に他の言葉をのせる。[初出の実例]「『よく知りません』と(よく)の字を冠(カブ)せて跡を晦ますと」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上)⑤ 前のことばにすぐに加えるようにして言う。[初出の実例]「『まあ…』と繁の呆れるのを、『いや、其れ以上かも分らん!』と冠(カブ)せて」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春)⑥ 人をあざむく。罪、責任などを人に負わせる。だます。[初出の実例]「虫付の者を被(カブ)せうと、〈略〉能ういかさまに懸ようとしたな」(出典:歌舞伎・富岡恋山開(1798)三幕)⑦ 男が女を犯す。また、女が色仕掛けで男を誘惑したり、積極的に迫ったりする。[初出の実例]「わたくしを無理に上雪隠へつれ行、せりふもなくかぶせし故、酔まぎれに不埒いたし候」(出典:歌舞伎・霧太郎天狗酒宴(1761)四幕)「中居にかぶせられ(ぜに)おろされて」(出典:いろざとお客のあなづくし角力(1818‐30頃か)) かむ・せる【被】 〘 他動詞 サ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]かむ・す 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙 =かぶせる(被)[初出の実例]「在郷唄に冬至の通り神楽をかむせたる鳴り物にて幕明く」(出典:歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)二番目) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例