装薬(読み)ソウヤク(その他表記)propellant

翻訳|propellant

デジタル大辞泉 「装薬」の意味・読み・例文・類語

そう‐やく〔サウ‐〕【装薬】

[名](スル)弾丸を発射するため、薬室火薬装塡そうてんすること。また、その火薬。

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精選版 日本国語大辞典 「装薬」の意味・読み・例文・類語

そう‐やくサウ‥【装薬】

  1. 〘 名詞 〙 弾丸を発射するため、銃砲の薬室内に火薬を装填(そうてん)すること。また、その火薬。古くは黒色火薬が用いられたが、現在では無煙火薬が用いられる。発射薬
    1. [初出の実例]「装薬の方は各国の風習、銃砲の大小に従て異なり」(出典:舎密開宗(1837‐47)内)
    2. 「彼人の命令ならば、装薬(〈注〉クスリヲコメル)せる炮口の中になりとも進むべし」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉八)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「装薬」の意味・わかりやすい解説

装薬
そうやく
propellant

銃砲に装填し,弾丸(→銃弾砲弾)を発射するのに用いられる火薬(→火薬類)。発射薬とも呼ばれる。ロケットの発射に使用される火薬類は,推進剤,推進薬,推薬として区別される。13世紀中頃から 19世紀後期までは,炭素硫黄硝酸カリウムを混合した黒色火薬が使用されていたが,黒色火薬は燃焼時に 44%しかガス化されず,残りはを発生した。1846年スイスの化学者クリスチアン・フリードリヒ・シェーンバインによりニトロセルロース製法が発見され,無煙火薬の時代が開かれた。無煙火薬はフランスのポール・ビエイユによって実用化され,1885年頃フランス陸軍に採用された。1888年スウェーデンのアルフレッド・ベルンハルド・ノーベルが,ニトロセルロースとニトログリセリンからなるダブルベース火薬である混成無煙火薬をつくり,1889年にはイギリスの化学者フレデリック・オーガスタス・アーベルとジェームズ・デューアが,ニトロセルロース 65%,ニトログリセリン 30%,ワセリン 5%の紐状無煙火薬を発明した。無煙火薬は燃焼時にほぼ 100%ガス化するもので,1900年頃急速に黒色火薬に取って代わった。1930年イギリスが紐状無煙火薬を改良し,ニトログリセリンを 55%近く含むコルダイトNを開発各国もこれにならい,アメリカ合衆国では M31が製造された。

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